シリーズ

□ランボさん
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―ガチャ

「…!名前さん!!」

彼の部屋で待つこと約30分。ようやくランボくんは戻ってきた。

『ねぇ、ランボくん』
「な、なんでしょうか」
『あたしはハッキリ言ってもらわなきゃ分かんないな』
「……」
『ランボくん』

この箱の意味、箱の中身について、

『教えて』

そう言うとランボくんはあたしの持っていた箱を手に取り、ふたを開けてあたしの方を向いた。

「名前さん、返事遅くなってすみません」
『……』
「…オレと、結婚してもらえませんか」
『…もちろん!』

ランボくんは、箱の中に入っている輝く指輪をそっとあたしの左薬指にはめた。

『うっ…ふぇ』
「名前さん?!」

どうしよう。嬉しすぎて涙がこぼれてくる。わたわたと慌てるランボくんには申し訳ないが涙は止まらない。

『あ、たしフられたんだと思ってたから…』
「えぇ!」
『だってランボくん、何も言わずに行っちゃうんだもん』
「す、すみません!恥ずかしかったんです」
『うん。…でもリボーンさんの所行かなかったらあたし、気付かなかったんだよ』

本当リボーンさんの所に行って良かった。行ってなかったらタンスに封印してたところだったよ。

「リボーンの所ですか…」
『え、うん』
「…今度からはオレ以外の男のところに行かないでください」

ランボくん…。嫉妬してくれてるんだ。不謹慎かもしれないけど嬉しいな。

『分かった。でもまたランボくんに泣かされたら行っちゃうから』
「な、泣かせませんから!!名前さんが常に笑顔でいられるよう頑張ります」
『約束、ね』

薬指にこめられた想い。この指輪に誓って、あたしは貴方のそばでずっとずっと笑顔をふりまきます。


(ところでランボくん、一ヵ月間浮れてたんだって?)
(な、何でそれを)
(ふふっ。リボーンさんに聞いたよ)
(…本当にこれからリボーンの所には行かないでくださいね)


2011.03.30

 
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