復活

□くだらない
1ページ/1ページ


好きとか嫌いとかバカみたい。

1人の男に言われた好き。1人の女に言われた嫌い。たった1人、されど1人。一つを得て一つを失う。めんどくさい。それならいっそ最初から何もなければ、関わらなければ楽だった。


同じクラスの沢田くんに好きと言われたあの日。
友達の京子に嫌いと言われたあの日。

私は沢田くんからの愛を得た代わりに京子という友達を失った。

たった1人の愛を受けたことで。

失ったのはたった1人。

されど1人。

その1人に嫌われた次の日。みんな失った。皆のアイドルである1人の人物に嫌われた私は皆にも嫌われる。

そうなるとたった1人の愛さえも疎ましく思って。

どうせあなたもすぐ私を嫌いになるんだから。ならいらない。期間限定の愛なんてくだらない。そんなものがあるからいつか傷つく。傷つく前に全て捨ててしまおう。


だからね。好きなんて、嫌いなんて、くだらないの。人の心なんてすぐ変わってしまうのよ。

信じられるのは自分1人でしょ。

そうなるとね、周りの人間なんていらないんじゃない?目障りだと思うの。

それなら消してしまえばいい。


『それが私の意見。納得してくれたでしょ』


ねぇ、沢田くん。ねぇ、京子。


あなたたちが愛し合ってることだってくだらないのよ。


沢田くん、私はあなたが好きじゃない。

京子、私はあなたが嫌いじゃない。


『ただただ目障りなだけよ。そういうわけで、さようなら』


必死に言葉を並べても無駄よ。

信じられるのは私だけだから。


2011.12.23


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ