『きょーちゃん、大変だよ!』 「何。また金髪が一本見つかった、とかくだらないことかい」 『いやちげぇし。てかくだらなくないし。すごくない?生粋の日本人で一本だけ金髪とか』 「よくあることじゃないか。ていうか傷んでるだけだろう」 『え、よくあるの?傷んでるの?何それショック。あ、じゃあきょーちゃんも金髪ある?』 「ないよ」 『何故!よくあることって言ったじゃないか裏切り者!』 「人聞きの悪いこと言わないでくれる。ていうか用ってそれだけ?」 『はっ!違うよ、こんなこと言いにきたんじゃないよ』 「じゃあ何」 『あのね、きょーちゃん。驚かないで聞いてね』 「いいから早く言いなよ」 『実は、ヒバードが……』 「ヒバードが何」 『ヒバードが…か、唐揚げにされちゃったの!』 「…は?」 『さっきパイナップルの六道がね、調理室から出てきて"バーズの鳥は丸々して油がよく乗り美味しかったですねぇ"って!』 「……」 『最初は何のことか分かんなかったの。でもパイナップルが居なくなった後調理室を覗いたら黄色い羽が散らばってて油の入った鍋が置いてあって…うわあああん!』 「…うるさい」 『だって、だってヒバードがあああ!』 「はぁ、僕が六道を咬み殺してヒバードも取り返すから大丈夫だよ」 『咬み殺すのはいいとして取り返すのは無理だよ!油で揚げられたんだよ食べられちゃったんだよ胃液でドロドロだよおおお!』 「僕に出来ないことはない」 『きょーちゃん…!』 「ここでおとなしくしてなよ」 『…うん』 「じゃあ行ってくるから」 (ねぇ、僕のなまえを苛めるのやめてくれない) (クフフ、苛めたなんて人聞きが悪い。今日は嘘をついてもいい日なんですよ) (精神的に追いやる嘘をつくのはルール違反だ) (おや、僕のはちっぽけな可愛い嘘じゃないですか) (ちっぽけなのは君の頭の中だけだよ) (少々口がすぎますよ) (うるさい。君はここで咬み殺す) (ぐすん。きょーちゃん今ごろ六道のお腹の中漁ってんのかな) (ミードリタナービク) (…!ヒッバードォォォ!良かった、生きてる、ドロドロじゃない!きょーちゃんすげー!) ――― ヒバードファンの方すみません。いや、もう本当…申し訳ない。 2012.04.01 |