復活

□はっぴーにゅーいやー
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「ボス、あけましておめでとう」

「おめでとう」

「お年玉」

「新年二言目がそれか」

「お正月は子どもが無条件にお金を巻き上げれる一大イベントだよ」

「ニュアンスが違う。そもそもなまえもう子どもじゃないし」

「もうボスったら。私はいつでも少女の心を忘れてないのよ」

「精神年齢低いもんね」

「それこそニュアンスが違う。しばくぞ」

「ボスに手出していいと思ってるの?」

「正月早々権力を振りかざすなんて。いや待てよ。」

「何?」

「お年玉ってさ、別に子どもだけじゃなくて、目上の者が目下の者に与えるものなんだよ」

「ふーん。で?」

「ボスとして権力振りかざすならお年玉も与えるべきだよ」

「なまえがオレを目上の者として敬ってくれてる姿見た事ないんだけど」

「幼馴染みだからね。大人になって突然立場上ですけどみたいな態度とられても、え、あのダメツナが??どうしたどうした、笑い、みたいなところは正直あるよね」

「つまりなまえはオレを目上だと思ってないんだね」

「まあ」

「なら、」

「いや、思ってるかどうかじゃないんだよ、事実としてツナはボスなんだからさ。それって覆しようのない事実じゃん。そういうところだよダメツナ」

「納得いかない上にむやみに心傷つけられたんだけど」

「ボスとしての定め。さあ、お年玉ちょうだいよ。さもなくばボスの恥ずかしい写真を守護者にばらまくよ。おねしょツナくん3しゃいとか」

「なっ!…はぁ。分かったよ」

「よしよし」

「まぁ、一応用意してたしね」

「抜かりないねボス。そこに痺れる憧れるう!」

「はい、どうぞ」

「どうもどうも。え?まって、ボスこれすごい金額。気前良すぎない?賄賂?」

「気にするなって。なまえの給料から差し引いたものだから」

「あ、なるほどね。賄賂とかじょないのねっておーい。え、これ給料の一部?」

「そういうことになるね」

「それ意味ないじゃん。給料分割払いされただけじゃん。そんな給料の払い込み申請してません」

「分けて渡すとお得な気分になるだろ」

「錯覚だよ。不覚にも一瞬喜んだけど。ぬか喜びだよ、ちくしょう』

「そんなに喜んで貰えるなんて、嬉しいよ」

「喜びは喜びでもぬか喜びだからな。地盤グラグラだよ。ボスの頭も地盤グラグラなんじゃない?」

「ボスへの暴言で減給」

「ちょっとまってくれよハニー。これが暴言?ノンノン。私はハニーの心配をしただけさ。そんな優しい私にご慈悲を。具体的には増給」

「給料あげてほしいならそれに見合った仕事しなよ」

「してるしてる。秘書としての仕事をまっとうしてる。朝が弱いツナくんを起こしに行ったり、寝ぼけたツナくんのネクタイ結んであげたり。執事かよ。今度からおぼっちゃま、お目覚めのお時間ですよって起こしてあげようか。あくまで執事ですから」

「オレ悪魔と契約してないから。まあ、仮に執事だとしても秘書にしても態度でかいよな」

「抜け出せない幼なじみというカテゴリー。というか今更だけど、私秘書向いてないんだよね」

「猫かぶるの得意だろ」

「猫どころか虎かぶれるわ。そこじゃなくてさ、私アウトドア女子なんだよね。書類整理とかボスのスケジュール調整とかより外でいろんな人と関わる仕事の方が好き」

「オレも書類整理とか嫌い」

「ボスの場合は頭弱いから。しょうがない。ただ書類の提出が遅れてリボーンくんに怒られるのは私なんだからきびきびやってくれないかな。ボスなら部下の無駄な仕事増やさないでよ」

「ボスの安息のために犠牲になってよ」

「これが世間にいうパワハラ。あ、でも手当て金つけてくれるなら考えるけど」

「お前はさっきから金の亡者か。そんなにお金が欲しいのかよ」

「お金は裏切らないって三千五億年前から言ってる」

「一つだけ大量収入の方法あるけど」

「石油王と結婚?石油掘り当てる?」

「もっと簡単。オレの奥さんにならない?一生不自由させないよ」

「はあ??…そういうところだよダメツナ。遅いんだって」

「え!まさかもう彼氏とかいるの?!」

「違うよバカ。もう本当バカ。私幼稚園の時からずっとプロポーズされんの待ってたんだよ。おねしょツナくん3しゃいの時から、ずっと好きだったんだよおバカ」

「えっ…!」

「一途に待ってるっていうのに、ダメツナはいろんな女にフラフラして。こんないい女待たせてんじゃないよこのおばか。だからダメツナなんだよ」

「なまえ口悪い。素直に嬉しいって言えばいいのに」

「割とマジに殺意湧いたけど刺していいの?」

「ごめん、冗談だって。…まって、あの、改めて言うけど。いや、まって、本当はもっとロマンチックな場で言おうと思ってたんだけど、なんか冗談が本当になったっていうか、まって、えっと」

「そういうところだよツナ。まだ待たせるの。ムードとかそういうの言うなら今ここでビシッと男らしく決めてよ」

「えっと、…オ、オレの奥さんになってください」

「だからもう、そういうところよツナ。段階飛ばしすぎ。まあ寝起きの悪いツナ起こしてあげたりとか、ネクタイ結んであげたりとか、私しかできないしね。秘書だし?ツナのスケジュールばっちり管理してきたわけだし?奥さんにぴったりなの私しかいないんじゃない?」

「素直じゃないなぁ」


(何、あの草食動物たち。正月早々目障りなんだけど)
(確かにうぜぇな)
(それよりも僕はボンゴレのヘタレ具合に苛々しました)
(約20年間待たされてたなまえは不憫だね)
(これだからダメツナなんだ)
(なまえもボンゴレなんかではなく僕みたいな優れた人間を選ぶべきでしたね)
(君みたいな人間を選んだらそれこそ一生後悔するね)
(ツナといい勝負だな)
(失礼ですね。ボンゴレなんかと比べないでもらいたい。不愉快だ)

(お前らさっきから聞こえてるんだからな!)

2013.01.01
 

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