リク

□××のお相手は?
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『雲雀さん、雲雀さん』

「な、に…それって」

『はい、ちゅどーん』

「ちょ《ボフン》」


雲雀恭弥やぶれたり。いや、殺してないよ。確かにバズーカで撃ったけども。このバズーカで人は死にません。何故って?とある子供から強奪げふん…お借りしたこのバズーカで撃たれた者は10年後の自分と入れかわることができるんです。標的7から抜粋だよ。

で、あたしは10年後の雲雀さんが見たくてちゅどーん、みたいなね。けっして普段の鬱憤晴らしとかじゃないよ。無駄に多い書類整理を土日まで押し付けてきた仕返しとかじゃないのよ。本当に。

ぶっちゃけこっちの雲雀さんが戻ってきてからが怖かったりするけど好奇心にはかなわなかった。自分に正直なのよあたし。

お、雲雀さんを包み込んでた煙がはれてきた。さあ、あの暴君風紀委員長な雲雀さんの10年後はいったいどんな姿なのか。


「ここ、何処。…応接室?」

『あ…』


う、わあ。何このイケメン。ちょっと待てよ。これじゃあ計画が。10年後に若干老けて残念なことになってる雲雀さんを盛大に笑ってやろうって考えてたのに。こんなイケメンになっちゃって。まあもともとかっこいい雲雀さんが残念なことになるわけないんだよ。残念な雲雀さんを笑ってやろうだなんて浅はかな考えだったわ。
でもなんだか悔しいからとりあえず笑っとこうと思う。あ、雲雀さんパッツンじゃない?よし似合ってるけど笑っとこう。


『あはは、雲雀さんその前髪、』

「黙れ。咬み殺すよ」

『調子にのってすんませんでした。いやマジで』


だよね。こうなるって分かってた。でも好奇心には(ry


「名前、だね」

『あ、はい。名前です。いつも暴君委員長にこき使われてる委員長補佐の名前です』

「…。名前は並中の制服着てるしここは応接室だから10年前か」

『いぇす、その通りですよ』

「ということは名前が10年バズーカを撃ったのかい」

『いや、なんのことっすかね。自分ちょっと分かんないっす』

「…まあいい。今僕は機嫌が良いんだ」


雲雀さんの機嫌がいいだって?それは何だかとても悪い予感がする。


「なんで機嫌がいいか分かるかい?」

『いや、分かるわけないでしょ』

「10年前の君に会えたからだよ」


乙女がときめきそうな台詞なのに悪寒がするのは何故。


『あたしに会えても何の得もないっすよ』

「10年後の君はファーストキスを奪われてたんだ」

『唐突だな。って誰に?!』

「君が教えてくれないんだから知らないよ」


ちょ、まっ、あたしのファーストキスのお相手は誰。うああ気になるな。


「僕は長年君に想いをよせてやっと叶ったのに、ファーストキスは知らない誰かに先に奪われて腹が立ってた」

『へえ…え?』


君に長年想いをよせて叶った?君って……あたしか。

あたし?!


『雲雀さんその叶ったっていうのは、』

「だけど、今僕は10年前の名前に会えた。キスはまだだろう?」

『話遮ったな!残念ながらまだですよ。で、叶ったって、』

「そう。だから奪われる前に僕が奪ってしまえばいいんだ」

『またか!わざとか!』


あたしの話を遮ってまで話すのはどうかと思いますよ。奪うとか奪われるとかそんなことよりあたしの話聞いて!


「やっぱり名前の初めては僕じゃないとね」

『初めてって、近っ!ばっ、ひばばりさん近いです』

「(ひばばりさん?)近づかないと奪えないだろう」

『奪うってまさかファーストキスのことか!雲雀さんにはまだはやい!だからあげれませ、』

「うるさい」


ちゅ


『!』


思考停止。


『なっ、今、なん、え?』

「ごちそうさま。(ペロッ」

『ちょ、ひばっ《ボフン》…』


逃げたな!あたしの大切なファーストキスを奪っておいて…。


「名前?」

『ん?こっちの雲雀さんだ。…あ、いや、バズーカを撃ったのはちょっとした出来心で、』

「別に、怒ってないよ。むしろ機嫌がいい」

『!な、何で機嫌がいいんですかねー?』


おいおい、機嫌がいいなんてそんな10年後の雲雀さんと同じこと言わないでよ。怖いじゃない。


「10年後の君に会えたからね」

『嫌だこのデジャブ!10年後のあたしに何をした!』


10年後も今の雲雀さんも結局は同じ人だからやることも同じってか。ごめん未来のあたし。好奇心に負けてごめん。


「話をしただけだよ。10年後の僕たちの関係についてね、って聞いてるの?」

『後悔先にたたずとはこのことか。あたしが好奇心に勝てるような強い心を持ってたらあんなことには…』

「(まあ、いいか。)名前、僕をバズーカで撃った罰として書類追加ね」

『…はい?雲雀さんさっき怒ってないって、』

「怒ってはないけど罰を与えないとは言ってない」

『なんだか理不尽!』

「文句言わずにさっさとして。早くしないと咬み殺すよ」

『さあ、書類整理やろっと』


ちくしょう。怒ってないのに書類追加だなんて間違ってるよ。てかむしろ怒ってるのはあたしの方だ。ファーストキス奪いやがって。
…ん?あたしのファーストキスの相手って…。

いや、うん。そうかそうなのか。ぷぷぷ。


「何にやにやしてるの」

『何でもないですよー』


雲雀さん、なかなかのおまぬけさんなのね。
ファーストキスの件はおまぬけな10年後雲雀さんに免じて許してあげますよ。ぷぷぷ。


××のお相手は?


=10年後=

(うわ、びっくりした。恭弥おかえり)
(ただいま)
(どうだった?10年前は)
(うん、良かったよ。名前のファーストキスも奪えたしね)
(ああ…。じゃあ10年前の恭弥がまた腹を立てるね)
(…まさか名前の言ってたファーストキスの相手って)
(あはは。誰だろうねー)
((結局僕だったのか))



→謝罪

 
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