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□君のことなら何でも
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恐らくいま、なまえ以外のオレら3人は、脳内がシンクロしているはずだ。
きょーちゃん?あの雲雀さんにきょーちゃん呼び?
小学校からの親友であるオレですら、なまえと雲雀さんの関係を知らないのに、ましてや中学から知り合った二人が知る由もない。
付き合ってるとかじゃないよな?あの雲雀さんだもんな?

「君達何群れてるんだい?って、あぁぁぁぁ!」

オレら3人の肩が恐怖で揺れる。群れているから殴られる、などといった恐怖ではなく、突然この世の終わりみたいな声を出した雲雀さんに言い知れぬ恐怖を感じたのだ。

「ちょっ、なまえ!そのハンバーグは僕に作るって言ってたやつだよね!!」
『そうだっけ?』
「そうだよ!なんで草食動物にあげてるんだい!」
『おかず交換してたの』
「勝手なことしないの!なまえの手作りのお弁当を草食動物に食べさせるなんて僕が許さな、」
『はい、ツナくんあーん』

ちょ、雲雀さんすごく怒ってるんだけど。激おこプンプン丸じゃないか。こういうと一気に恐怖が和らぐからいいな、これからも使おう。
雲雀さんの話からすると、このハンバーグは雲雀さんが食べる予定だったものらしい。しかし、オレはそんな話なんて知らないし、そもそも作った本人がいいというのだから食べてもいいよな。

「ぱくっ」
「ぎゃあぁぁあぁぁ!!」

雲雀さんから断末魔が上がる。これ、戦隊ものだと、大きくなって復活するやつだよね。雲雀さん、ただでさえ人間離れした戦闘力なのに、これ以上でかくなったら確実に殺られる。
もちろんそんな非現実的なことは起きないが、雲雀さんの怒りはムクムクと膨れ上がったようだ。激おこプンプン丸に、ムカ着火ファイアーが追加された。

「僕の…僕のハンバーグ食べたな。…沢田綱吉…殺す!」
「ひぃっ!」

殺す、って咬みがついてない!今日の雲雀さんいつもよりいろんな意味で怖いよ!!精神面ガタガタかよ!!
…それいつもじゃないか。

『きょーちゃん、まだもう1つあるから!』
「…ほんとかい!ハンバーグまだあるんだね。やった!」
『もう、きょーちゃんたら』

雲雀さんに尻尾が生えていたら、恐らくブンブン揺れているだろう。それくらい雲雀さんの喜びようは目に見えて分かりやすいものだ。
オレの知ってる雲雀さんと違う。

「ねぇなまえ、あ〜んして!」
『はい、きょーちゃん。あーん』
「うん、やっぱりなまえの作るハンバーグは超ウマウマだね」
『ふふ、ありがと、きょーちゃん』

誰だこれは。これが最強風紀委員長?いやいや、キャラがおかしいでしょ!ウマウマとしたり顔で言う雲雀さんなんて見たくなかったよ!!

「雲雀怖いな。ところであのさ、なまえって雲雀と付き合ってんのか?」
「何言ってるんだい、山本武。そんなの僕らを見てれば分かるだろう。どっからどうみても恋び、」
『幼馴染みだよね』
「ちょっ!なまえ、何言ってるんだい!」
『だってそうじゃん』
「そうなのか」
「だから仲良かったんだね」
「(良かったぜ)」

ああ、幼馴染だからきょーちゃん呼びだったのか。安心。
でも小学校の頃からなまえと親友なわけだけど、オレ、よく雲雀さんと一度もエンカウントしなかったな。その頃は運がまだ付いていたのかもしれない。

「そこの3人何ホッとしてんの!なまえは僕のだから、渡さないよ」
『私別にきょーちゃんのじゃないけど…』
「悪いけどなまえは雲雀には渡せねーのな」
「そうだね」
「今回は野球バカに不本意だが賛成だな」
「フン、君達はなまえの私生活とか知らないだろう。僕は私生活はもちろん、スリーサイズも知ってるよ。まぁ長い間一緒だしね…。どうせ君達は中学になって知りあったんだろう」
『きょーちゃん、私のスリーサイズ知ってるの?!』

うわ、雲雀さんのあの勝ち誇ったような笑み、ムカつく。ドヤ顔なんてしないでほしい。それがまた様になっているというのが一番腹がたつ。言っていることはただの変態だが。

「雲雀さん、オレはなまえと小学校からの親友ですから。私生活、スリーサイズ?フッ、それくらい知ってて当たり前ですよ」
『ツナくんも?!』
「くそ、オレと獄寺は中学から知りあったから、私生活もあんま知らねぇしスリーサイズも知らねぇ…」
『いや、知らなくていいから』

山本が何か嘆いてるし、獄寺くんは隅のほうで体操座りしてる。なんだか獄寺くんの周りだけ異常に空気が重い。
なまえはオレたちがスリーサイズを知ってることに驚いてるみたいだけど、今更。
なまえは抜けてるから、このもまだと変な男に騙されてしまう。雲雀さんとか雲雀さんとか。
オレが、なんとかしないと!!


 
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