『ツナさん、ツナさん』 「何、なまえ」 『お願いがあるんですよ』 「お願い?」 『はい』 「どんな?」 『温もりがほしいです』 「暖房器具買ってきたら」 『無理です』 「は?貯金もたくさんあるでしょ」 『いや、お金の問題ではなくて…。外、寒いんです』 「あぁ、そう。じゃあ諦めなよ」 『でもそしたら寒い』 「ぶっちゃけさ、ボンゴレの屋敷は暖房設備良いから寒くはないよ」 『…寒いんです』 「風邪でもひいたの?」 『風邪じゃないけど…。これは病気だと思います』 「…!シャマル呼んで来る!」 『これはツナさんにしか治せないんです!』 「いや、確かにオレは何でも出来る人間けど、さすがに病気だけは治せないよ」 『ツナさんの出来ることなんて極僅かですけど。…この病気だけはツナさんにしか治せません』 「失礼だな…っていうかどんな病気?症状は?」 『とにかく寒いんです』 「じゃあ布団にくるまって温かくして寝てください」 『そんなんじゃ治りません』 「これ以上にオレにどうしろっていうのさ」 『…ずっと隣りに居てほしいです』 「…え?」 『隣りで、抱き締めてください』 「え、あ…え?それは、どういう…」 『ここまで言ったのにこの先を女の子に言わせるんですか』 「そ、れは、」 『…もうあたしから言います。ツナさん、好きです。だからこれからずっとあたしの隣りに居てくれませんか?』 「え…じゃあ病気って」 『恋の病です』 「寒いっていうのは」 『心が、です。あと人肌が恋しかったのも。…察してくださいよ。それでツナさん、返事は?』 「えと、お、オレもなまえに隣りに居てほしい」 『…ツナさんのおかげで病気すっかり治りました』 「そっか。よかった」 『ずっと離さないでくださいね』 「当たり前。…離したらなまえは病気になるし、ね」 『ふふ、はい』 寒いんです (それにしても恋の病だなんて、ベタだね) (…ベタなのに気付かないなんて、超鈍感ですね) ((……)) ――― 甘を目指したつもりなんですけど甘くないですね。ちくせう。 |