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□寒いんです
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『ツナさん、ツナさん』

「何、なまえ」

『お願いがあるんですよ』

「お願い?」

『はい』

「どんな?」

『温もりがほしいです』

「暖房器具買ってきたら」

『無理です』

「は?貯金もたくさんあるでしょ」

『いや、お金の問題ではなくて…。外、寒いんです』

「あぁ、そう。じゃあ諦めなよ」

『でもそしたら寒い』

「ぶっちゃけさ、ボンゴレの屋敷は暖房設備良いから寒くはないよ」

『…寒いんです』

「風邪でもひいたの?」

『風邪じゃないけど…。これは病気だと思います』

「…!シャマル呼んで来る!」

『これはツナさんにしか治せないんです!』

「いや、確かにオレは何でも出来る人間けど、さすがに病気だけは治せないよ」

『ツナさんの出来ることなんて極僅かですけど。…この病気だけはツナさんにしか治せません』

「失礼だな…っていうかどんな病気?症状は?」

『とにかく寒いんです』

「じゃあ布団にくるまって温かくして寝てください」

『そんなんじゃ治りません』

「これ以上にオレにどうしろっていうのさ」

『…ずっと隣りに居てほしいです』

「…え?」

『隣りで、抱き締めてください』

「え、あ…え?それは、どういう…」

『ここまで言ったのにこの先を女の子に言わせるんですか』

「そ、れは、」

『…もうあたしから言います。ツナさん、好きです。だからこれからずっとあたしの隣りに居てくれませんか?』

「え…じゃあ病気って」

『恋の病です』

「寒いっていうのは」

『心が、です。あと人肌が恋しかったのも。…察してくださいよ。それでツナさん、返事は?』

「えと、お、オレもなまえに隣りに居てほしい」

『…ツナさんのおかげで病気すっかり治りました』

「そっか。よかった」

『ずっと離さないでくださいね』

「当たり前。…離したらなまえは病気になるし、ね」

『ふふ、はい』


寒いんです


(それにしても恋の病だなんて、ベタだね)
(…ベタなのに気付かないなんて、超鈍感ですね)
((……))

―――
甘を目指したつもりなんですけど甘くないですね。ちくせう。



2010.12.01 
 

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