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□それぞれの花に意をこめて
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ボンゴレに入ってだいたい2週間が経った。

フリーで情報屋をしていたらボンゴレのボスにスカウトされた。俺専用になってよ、ってね。
最初は他のマフィアとも仕事の約束があったから断ったのだけど。そこはさすがボンゴレとでも言うべきか、気配なく後ろから部下の人に睡眠薬をかがされてあえなくボンゴレへ。

今の生活はつまらない。日常に変化がなさすぎる。
与えられた部屋も、決まった時間に出される食事も、毎日ボンゴレが言う言葉にも。全てがつまらなくて絶望。

連れて行かれたあの日、私には注意が足らなかった。マフィア界最強のボンゴレを前にしてなぜ注意をはらわなかったのか。
いや、はらっていたのに。なのに背後の気配にも気付けなかった。

そもそもボンゴレの言葉を聞いた時即座に逃げればよかった。"俺専用"がボンゴレファミリーに招待したのではないことを示しているのに。

ボンゴレファミリーに歓迎したのではないことに早く気付けたら…。

こんな監禁生活にはならなかったかもしれないのに。


アスクレピアス
花言葉:解放してください


(窓がなくて陽の差し込まないこの部屋も)
(決められた時間に来る見張り兼食事運びも)
(狂ったように愛してるを口にするボンゴレにも)
(全部のことに絶望した)

 
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