ねぇ、足りないの。 こんな少しじゃ満足できない。 もっともっと沢山ちょうだいよ。 少しずつじゃなくて、一度にあふれんばかりを私にちょうだい。 ねぇ、そんなに怯えないでよ。 私をそんな揺らいだ瞳で映さないで。 もっともっと近くに寄って。 私にたくして。 これから先の貴方の運命を。 私の手から貴方のお腹へ。 輝く想いと溢れる愛を。 これで私は満たされるの。 ほら、手から零れるアイがいっぱい。 すくってもすくってもまだまだあるわ。 そうよこれよ。 これほどのアイを待ってたの。 情熱の朱が私を頭から爪先まで染め上げる。 あぁ、なんて幸せなんでしょう。 アイが溢れて止まらない。 このままずっと側で私にアイをちょうだいね。 さぁ、そろそろ部屋に戻りましょうか。 貴方のその冷えた体を温めるために。 ――― ヒロインが相手をすごい欲して、常に相手に満たされたいし相手で染まりたかったから、刺して返り血をあびて満足して。っていう話なんです、これ。 |