助けてひばさーん。

…何。

お腹いたい。

あれだけアイス食べたら誰だってお腹こわすよ。

だって外暑かったんだもん。

それにしても限度ってもんがあるでしょ。なまえ、見回り中ずっとアイス食べてたじゃないか。いったい何本食べたんだい？

ガリガリ君２本とクーリッシュ２個とアイスボックスと、

馬鹿じゃないの。

まだ最後まで言ってないよ。

その時点で普通の量じゃないから。聞いてるこっちが寒くなってきそうだよ。

あああああ。

突然何バグおこしてるの。

きた…。波がきたんだよ

正露丸でも飲んで今日は温かくして寝るんだね。

断る。

咬み殺すよ。

こわすぎかよ。でも正露丸だけは飲まないよ！

錠剤飲めないの？

いや、錠剤だろうと粉だろうと飲めるけど。

じゃあ何で。

なんだか負けた気がするじゃない。

…何に。

自分に？だってアイス食べすぎてお腹こわして正露丸飲むとかあたしバカみたいじゃん。

バカなんだよ。

いや、ここで正露丸を服用しないことによってあたしのプライドが保たれる。

病院行ってきたら？脳外科か精神科に。

酷、あああああ！

……。今日はもう帰りなよ。

む、り…。立てな、

はぁ。仕方ないから家まで送ってあげる。

うわっ！ちょ、ひばさん。これ恥ずかし、

何、じゃあ俵担ぎがいいの？

いや、それはお腹に圧迫が…。

じゃあ文句言わないで。それにバイクについたら下ろしてあげるし。

………。ひばさん、もしかしてバイクで帰るのでしょうか。

そうだよ。

無理だって。

大丈夫。事故なんかしないよ。

いや、あたしお腹痛すぎて力入んないから振り落とされる。

……。まぁ、大丈夫なんじゃない？

いや、大丈夫じゃ、あああああああ。

……。

うああ、お腹が…。

……。着いたよ。乗って。

鬼か。だからバイクは、

はい、ヘルメット。

あ、ありがとう…じゃなくて。

しっかりつかまって。

おろせええ！

行くよ。

う、うあああああああ！！！！


(着いた。あたし生きてる、良かった)
(ねぇ、もっと女の子らしい叫び方出来なかったの)
(それどころじゃなかったし！…うっ)
(…あぁ、なまえに女性らしさを求めた僕がバカだったよ)

――――
ひばさんはお姫様抱っこをチョイス。しかしバイクで帰るというミスチョイス。