02/15の日記
21:53
一日遅れのバレンタイン
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木枯らし吹きすさぶさむ〜〜〜〜いこの季節
なれど、熱く燃える日がたった一日のみ・・・・ある
恋するお年頃の女の子はもちろんのこと
恋するお年頃の男の子達にとっても非常に重大な矜持に賭けて重大な一日であることに相違はない
さて・・・
関東地方の某S県公立高校であるこの学校においてもそれは同じことのようで・・・
朝から妙に浮き足立った雰囲気が校舎全体を包み込んでいて・・・
いつも渋い顔の先生方もいつも以上に眉間に皺寄せ渋い顔が一層渋くなってはいても
そんなことは関係ないことのようで・・・この日ばかりは渋顔の先生たちも大きくため息を吐き
諦め嵐のような一日が過ぎ去るのをただ待つばかりのようなのであったりする
それほど重要な一日
男としての矜持を賭けた一日・・・・
なので勝者もいれば当然敗者もいるわけで・・・
今年のバレンタイン
暦の関係で日曜日だったこともあり月曜日の今日は朝から華やかな空気が校内中を埋め尽くしていた
のだが
放課後の今、
教室の片隅に固まっているのは・・・どうやら敗者組のようである。
「あぁ・・・今年も貰えたのはお情けの義理チョコかよ・・・」
全員たった今クラスの女子から貰ったばかりの小さな駄菓子チョコを手にため息を吐く
男と生まれたからにはこの日ばかりはやはり華やかな方が嬉しい
はぁ・・・・となんとも情けなさが篭るため息が零れる
その傍らで・・・
はぁ・・・・
「お前がため息吐くなよなぁ!なんだよ!その机の上のチョコの山!!」
ため息を吐き机に突っ伏している頭に向かい八つ当たりでしかない罵声が飛んだ。
確かに彼が突っ伏している机の上には愛らしく彩られたチョコ菓子・・・に限らずどう見ても手作り感が否めないラッピングの山
「・・・・・俺・・・義理チョコの方がまだマシなような気がする」
ボソリと呟いた彼の言葉に居合わせた者たちの表情は渋顔
「・・・・・・チョコバットをお情けで貰うよりずっとそっちの方がいいじゃんかよ」
俺達に喧嘩売ってんのか?お前・・・
とムッとするクラスメートたちの言葉に反応したった今まで突っ伏していた少年がガバリと顔を上げ興奮し叫んだ
「お前らは“男”扱いで義理チョコだからいいぞ!俺なんか・・・俺なんか!!」
膨れ丸みを帯びた小さめのフェイスに浮かぶは少し潤んだ漆黒の瞳
拗ねたようにツンと突き出た唇の可愛らしさ
冬場の所為もあり色白気味の肌頬を興奮に染めるは淡い紅
それらを一層映えさせるのは艶やかな黒絹を思わせるように癖のない髪
超が付きそうなほど美の文字に相応しいといえるほどの愛らしさ
すっかり見慣れたはずの彼らですら突発的には一瞬心臓がどよめくほどの衝撃
「俺なんか・・・・・友チョコだぞ?」
『渋谷、はい!これあげる』
ニコッと笑いながらクラスメート女子から差し出されたチョコは・・・確かに丁寧に作られた愛らしいものだけど
同じように貰っているのは皆女子なわけで・・・
それは・・・・ある意味少し哀しい(らしい)
「俺って男扱いすらしてもらってねぇ・・・・ってことじゃん★」
がっくりと再び突っ伏した友人の肩を仲間の一人が慰めるようにポンポンと叩く
「まぁまぁ・・・友チョコでもいいじゃんか?」
「そうだよなぁ・・・貰えるだけずっとマシじゃん?」
「俺らなんか30円チョコバットを一括りで貰っただけだぜ?」
「まぁこれでもないより腹の足しくらいにはなるけどな?」
そだよなぁ・・・
と頷きあいながら貰った駄菓子チョコを咥える仲間達を見つめるのは恨みがましい上目遣い視線
見た目美少女なれどその中身は人一倍熱血漢少年の彼にしてみれば素直には喜べないらしい・・・
「本命チョコなんて贅沢言わないから義理チョコ扱いの方がいいよぉ・・・・」
と突っ伏したまま呻く美少女少年の背に注がれるは『やれやれ』と言いたげな生暖かい視線を送る
少年達の脳裏にクラス女子の言葉が浮かんだ
『渋谷ってすっごくいい奴だし一緒にいて楽しいし?』
『男臭くないし親近感はわくし』
『友達としては最高だし』
だ・け・ど・・・・・・女として
『自分より美人で可愛い男なんて一緒にいたくない!!!』
その気持ちわからなくはないけど・・・・
“そこいらの女子どころか・・・”
“素人上がりの下手なアイドルタレントなんかより・・・・”
“数倍可愛いのも・・・・事実なんだよなぁ・・・・こいつ”
マジ・・・・
若さゆえに熱帯びる困った状況に途惑いつつも互いに牽制しあっている
無防備に机に突っ伏したまま唸り続けている彼を慰めるように背を軽く叩く
少年達がいたりなんかしたのだった。
渋谷 有利ランク
彼氏にしたくない男No1・・・・決定★<女子視点
(道誤っても後悔しない男No1・・・・・・<男子視点)
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