long story

□光の魂<第6章>
1ページ/39ページ

波を蹴る音があたりに響く
優雅な真っ白な船体は真っ青な海を滑る様に進んでゆく。


子供たちは初めての船旅に甲板をはしゃぎまわり、付いているものたちをはらはらさせている。
(本来護衛としてくっついてきたはずのヤツは・・・相変わらずの船酔いで早々に撃沈した)



そして・・・・俺は船べりから身を乗り出し水平線を眺めている

髪を撫でる海風が心地いい。


「陛下・・・風が冷たくなってきました。もう船室に戻られたほうが・・・・」
ファサ・・・・と肩にケープがかけられ・・・そのまま背後から抱きすくめられる。

「誰が陛下なんだよ・・・・わざとらしいヤツだな・・・フォンルッテンベルク卿・・・・」

少し怒りを込め振り返りざまに上目遣いで睨みつければ・・・・

「貴女のその瞳が見たかったからですよ」

と、顎に指をかけられる。
柔らかい笑みと共に口付けが降って来る・・・・。

「・・・・・気障なやつ・・・・・」

喉元でクッと笑い俺はされるがまま・・・・
全ての世の中で一番愛しいものの愛撫に身を任せる・・・。



国を旅立ち既に10日あまり・・・
俺たち家族は優雅な船旅を楽しんでいた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ