gest room
□逢魔時に・・・・〜wawさま作〜
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カキーン
硬球を木のバットがはじく、高い音が響く。
「オーライ、オーライっと。はい、スリーアウトぉ!」
ピッチャーとバッターしかいないんじゃ、バッティング練習と言っても大差ないが、
一応、俺とコンラッドは試合中だった。
5回を終わって、0対0。
まずまずの勝負だ。
取ったボールをコンラッドに渡し、バットを受け取ってバッターボックスに入る。
そろそろ欲しいよな。1点。
今までの球種から予測すると・・・
ストレート・・・・・
狙ってみるか・・・・!
ふと見ると、コンラッドは何故だか空をしつこく見上げている。
つられて顔を上げる。夕暮れの空が広がるだけで、他に何もみえない。
「何してんのー。早くしないと日が暮れるよ。」
秋の夕日はつるべ落とし。
って言っても、今が秋かどうか何て全くわかんないけど。
ようやくピッチャーマウンドに戻ったコンラッド。振りかぶって――――投げた。
来たぁー!!
バッチリストレート!
狙いを定めてバットを振ると、打球は高く上がった。
いけるか?ホームラン??
俺も、そしてコンラッドも打球を見つめて走り出した。
緩い放物線を描くボール。
後一息伸びが足りないか・・・!