己の道を突き進め
□過去六話
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壊人が落ち着いたところで再度どうするのか決めなければならなかった。
やはり壊人だけが障壁から出るのは無謀だと言えるし、何よりもこの場に居る神将三名と人間一名が許さない。
「行くなら朱雀か騰蛇だな。俺と晴明は待機するしかないだろう。」
「……そうだな…」
「どうかしたのか?」
「気にするな。」
朱雀と騰蛇から怒られたばかりなので壊人としては白虎とがよかったのだが、行けないと言われてしまうと二人のうちどちらかと行くしかない。
ならば朱雀と行く方が何かとやり易そうだ。
なんて思ったのも束の間。
「だったら、俺が行ってやる。」
「……え?」
「…紅蓮、本気で言っているのか?」
あれだけ嫌がっていたはずの騰蛇が、何故か自らが行くと言い出したのだ。
これには騰蛇本人以外の四人が驚いた。
「そいつがいないと解決にならないようだからな。面倒だが、俺が行ってやる。」
「まあ、行ってくれるなら何でも構わん。」
「……何がいいのか理解できない…」
「何か言ったか?」
「何も。」
騰蛇と行くのは何となく避けたかったというのに、本人が何故か行く気になったので結局騰蛇と行く事になってしまった。
「くれぐれも無茶はするなよ。」
「時と場合によるだろう。」
「お前な…」
「紅蓮よ、しっかり見ていてくれ。」
「そのつもりだ。」
「そんなつもりで来るな。」
まるで悪戯をしないようにと注意されているようだ。
まだ半日しか経っていないというのに、えらく過保護な気がしてならない。