long story
□旧家のお嬢様
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「マリア、大丈夫?」
「大丈夫…じゃない…」
ふらふらのマリアをみて心配そうな母。
「そうだ。今日は漏れ鍋に泊まろ。これ以上乗り物に乗るのは無理でしょ?」
母の言葉にマリアはこくこくと頷いた。
「でもここからだと少し歩かないといけないから、荷物半分持つわ。」
「ありがと…」
自分の荷物を半分渡し、よろよろしながら母に着いていくこと30分以上。
注意していなければ見逃してしまいそうな小さな店に辿り着いた。
「漏れ鍋」と看板が掛かっている。