夏祭り
□夏祭り K
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「アホなこと言ってねーでさっさと歩けよ!はぐれても探さね〜ぞ」
そう答える倉持は、御幸の想像通りさっきまでとは違う顔をしていた。
一つは。
人に合わせて行動ができるくらい、自分が大人になっていたという事実。
御幸は自分に協調性があるなどと思ったことは無い。ワガママだという自覚もある。思ったタイミングで行動し、思ったことを言う。そんな自分が嫌いでは無かったし、そんな自分でいいと思っていた。だから、今日のように大所帯で、しかも部活ではないただのオフをみんなで一緒に過ごすなんて正直、今までの自分なら考えられないことだった。
倉持と一緒にいたくて。
でも、倉持の嫌がることもしたくなくて。
気付けば自分を抑えることができていて。
結果、こうして倉持の機嫌を損ねることなく二人になることができた。