藤堂平助追悼

□意地っ張り
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「足りないんですもん。どれだけやっても追い付けないんです。だから私はもっともっと頑張らなくちゃいけないんです」

 自らに憤るような声音である。目は伏せ、長い睫毛が頬に色濃く影を作り出している。
 左之助は始め難しげな顔をしていたが、すぐに声を上げて笑い出した。

「ははっ! くっそまじめなやつだなお前!!」

平助の背中をバシバシと勢いよく叩くと、その細い体が前へつんのめる。平助は前のめりの状態のまま左之助を凝視する。

「オレぁそんなこと考えたこともねえけどな!」
「それは、原田さんはいつも強くて自信に満ちているから……」
「そりゃあそうだな!!」

左之助は自慢するが如く胸を張った。平助は溜め息を吐く。左之助は憮然とした表情をした。
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