藤堂平助追悼

□甘えん坊
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「ふふっ、嬉しいな!」
「何がだよ」
「新さんが来てくれたことが!」

無邪気に言い放たれるとやはり多少気恥ずかしいものがある。丁度目の前にあった平助の右の掌をはたくと、小さく非難の声を上げて眉をしかめた。

「何するのさ!」
「何でもないよ」
「もう、いつもそう言うんだから!」

膨れっ面になる平助を今度は笑い飛ばしてやる。そうするとすぐに機嫌を直して一緒に笑い出すのだから単純なものである。
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