藤堂平助追悼
□頑張り屋
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「あ、なんで笑うのさ! ひどいよ!」
「あはは、すまないすまない! ほら、私が相手してあげるから」
「本当!? やったあ!!」
ひとしきり笑ってから諭すように宥めると、嬉しそうにはしゃいで見せる。本当にコロコロと表情がよく変わるものだ、と山南は感心する。これが幼い頃から変わらぬ山南のよく親しんだ平助の姿である。
(こんなところが可愛いんだよなあ……)
「何か言った、山南さん?」
「いや、何も言ってないよ」
いつの間にか山南の隣で目を輝かせている平助の頭をポンポンと軽く撫でる。子供扱いしないで下さい、と文句を言う姿も子供らしいのだから仕方がない。