片思いシリーズ(BL雑食)

□黒色の片思い
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「うるさいな!!気安く呼ぶなよ!!」


【廊下に響いた自分の声に驚いた。】

「な…なんだよ!!お前っ声かけただけでそれはないだろっ!!
もう知らねえっ!!!」

神尾は怒って行ってしまった。
小さくなっていく後ろ姿を見送りながら…俺は口元を緩ませる。


俺の事で怒っている間だけ。
【お 前 は 俺 の モ ノ】
そうだろ……?


【ね え 。 俺 を 見 て】

俺は決して明るい性格ではないし…
社交的でもない。
優しくもない。

それは。自覚している。

友達だって少なくて…
一部にはただの根暗だって思われてる…

【俺 の 場 所 は こ こ だ け だ っ た】


俺の場所はテニス部だけだった。

元九州二翼と言われていた橘さんが一から作り上げた、今のテニス部。

"橘桔平"は強くて頼りがいがある先輩。
俺はそんな橘さんを尊敬して、その強さに憧れて、今までついて来た……

現在の部員はみんなそうだ。
そう、神尾も……

"神尾アキラ"を初め見た時は、なんか(髪型が)ゲゲゲの鬼太郎に似ていると思った。
ただ、その妖怪ぽい見た目とは裏腹に、馴れ馴れしくて…明るいヤツだった。
俺が闇なら、きっと神尾は光だろう。

神尾が気になった。

気になる…って感情は、好きになるって感情に変わる事があること、知ってた?

そう。俺は神尾が好きになったんだ。


【好 き な の に……】

ある日…

【見 て し ま っ た】

(部室で
(神尾と
(橘さんが
(抱き合って
(唇を重ねていたトコロ
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