目指せ普門館!?〜私立麗凰高校の挑戦〜

□9.Intermezzo-2【インテルメッゾ/伊】
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「ありがとうございましたコーチ!リンゴ飴大好きなんです。」


「そいつは良かった。」




アルベルトに買ってもらった大きなリンゴ飴を手に、ルカは先ほどの子どものように嬉しそうに歩く。
アルベルトもルカの笑顔に満足げに微笑んだ。


打ち上げ会場に向かう人の波は更に多くなり、二人は歩くのに難儀した。




「危ないぞ佐藤。手を離すなよ。」


「は、はい。」




繋ぐ手に力を入れてアルベルトはルカを自分の方に引き寄せた。


ルカは白い手袋に包まれたその手を強く握る。
同時に以前聞いた音楽を諦めた話を思い出して、ルカはそっとアルベルトの顔を見上げた。




「…あの、コーチ…。」


「Danke。…ん?どうした佐藤。」


「あ、いえっ!何でも…ないです。」




振り仰いだアルベルトはあいている右手を耳元に当てて短く何か呟いていた。
その雰囲気にのまれてルカは言葉を飲み込んだ。




「ジョーからだ。この先の神社が穴場らしい。行くぞ。」


「は、はい。」




アルベルトに手を引かれながらルカはふと感じた疑問を投げかけた。




「コーチ?いま電話してました?
あれ、でも携帯持ってな…。」


「あ、ああ、事前に聞いてたのを思い出したんだ。」


「…ふうん。」




一瞬動揺を見せたアルベルトを訝しみながら、ルカは彼に手を引かれて神社へ続く道へ歩いていった。




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