目指せ普門館!?〜私立麗凰高校の挑戦〜
□4.appasionato【アパショナート/伊】
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アルベルトの指導の甲斐あって壮行会の演奏は例年になく好評を博した。
その後すぐに定期考査に入った。大半の生徒が付属の大学に進学するとはいえテスト期間中は部活動も自粛傾向にあり、吹奏楽部もテスト休みに入った。
そして最終日。
久々に部室に集まった部員たちはテストの出来についてあれこれ話が弾んだ。
「ああ〜もうだめ。私世界史は捨てたわ。」
「世界史どころか全部ヤバいよ〜。ルカは?どうだった?」
「うん…ヤバい。マジヤバい。」
そう言うルカの顔は笑っておらず、友人達は顔を見合わせた。
「ルカ、大丈夫?」
「あ、ルカは外部進学希望だったっけ…。」
「うん。それでさっき進路指導の吉田先生に呼ばれてさ…。」
ルカは楽譜に顔を伏せて盛大なため息をついた。
「吉田か…。」
「なんか言われたの?」
「ん〜…ううん、何でもない!それより久しぶりの部活だもん、張り切って行ってみよー!!
明後日はハインリヒコーチに会えるわ〜。」
「そ、そうだった!!」
「ある意味テストよりヤバい!!腹筋サボってたよー!!」
ルカの言葉にハッとしたように友人達は着替えに走った。
「…よし、頑張りますか。」
ルカはしばらく自分の譜面に書いたアルベルトからの指示を眺めていたが、気合いを入れるように膝を叩くと立ち上がった。
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