目指せ普門館!?〜私立麗凰高校の挑戦〜

□5.elegiaco【エレジアコ/伊】
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「うわぁ、おっきな家。」




アルベルトと共にギルモア邸に到着したルカはキョロキョロと当たりを見回した。
海を望む崖の上の邸宅はルカの家より数段大きく、ルカはぽかんと口を開けて見上げるばかり。


アルベルトはそんな彼女の様子に薄く微笑みながら玄関のドアを開けた。




「ただいま。」


「おかえりアルベルト。あれ、その子は?」




玄関にはジョーが出迎えてくれた。アルベルトの後ろにいるルカに気づいて不思議そうな顔をする。




「ああ、例の吹奏楽部の部員だ。そこで拾った。
フランソワーズはいるか?」


「うん、奥にいるよ。
どうぞ君も入って。僕は島村ジョー。」


「あっ、私佐藤ルカです!いつもハインリヒコーチにお世話になってます!
お邪魔します。」




柔らかく微笑んで歓迎してくれたジョーにホッとして、ルカはアルベルトに付いて家の中に入った。




「よぉ、おっさんおかえり。…ってなんだソイツ。」


「吹奏楽部の部員だ。」


「は、はじめまして!佐藤ルカです。」




リビングに入った途端二人はジェットに声をかけられた。
ジェットは珍獣を見るようにルカをしげしげと眺めるとアルベルトの顔を見た。




「…そうかついに女子高生に手を出」


「違う!!家出してたから保護しただけだ!!」


「やあね大きな声出して…あら、そちらは?」


「家出少女だってさ。」




キッチンから出てきたフランソワーズに、ソファで本を読んでいたピュンマ、同じくソファで細工ものを作っていたジェロニモに見つめられてルカは軽くパニックに陥った。




『な、なにこの家外国人ばっか…。あ、玄関の人は日本人ぽかったけどでもでも…つか何語?いま私日本語喋ったよね?通じた?日本語OK?ニホンゴワカリマスカ〜???』


「おい、佐藤大丈夫か?」




次々登場する外国人にルカが目を回していると、アルベルトが彼女の背中をポンと叩いた。
おかげでルカはハッと気を取り直した。




「あ、コーチ、すみません。あの、日本語で大丈夫ですか?」


「ああ、日本語で大丈夫だ。気を使わなくていい。」




アルベルトの言葉にルカは少し安心してようやく微笑んだ。




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