目指せ普門館!?〜私立麗凰高校の挑戦〜

□9.Intermezzo-2【インテルメッゾ/伊】
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花火大会が開催される通りは歩行者天国になり、屋台が建ち並び祭り会場となっていた。
人ごみの中をルカとアルベルトは打ち上げ会場に近い場所まで歩いていく。




「おい佐藤。お前さんも何か覗いて………。」




すれ違う少女が金魚の袋を持っているのを見て、アルベルトはルカに声をかけて振り返り




「佐藤?」




その姿が見えないことに気付いて立ち止まった。


人波に押されながらしばらくキョロキョロとその姿を探すと、彼からだいぶ遅れてルカが姿を現した。




「すみませんコーチ、ちょっと歩きにくくて。」


「ああ、すまん。早かったな。」




慣れない浴衣に加えて下駄履きでちょこちょこと歩いてきたルカにアルベルトは表情を柔らかくして左手を出した。




「それにしてもすごい人だな。はぐれないように、ほら。」


「え……ってコーチ?」


「迷子になられても困るからな。」


「は、は、はい。」




アルベルトはそのままぽかんとしているルカの右手をそっと取ると先ほどよりも緩やかなペースで歩き出した。
ルカは電車を降りてからの予想外の出来事に混乱しながらもその歩みに付いていく。




「佐藤も何か見ていかないか。ほら。」




恥ずかしさに下を向いて歩いていたルカは声をかけられて顔を上げた。


アルベルトの指さす先には小さな子どもが嬉しそうにキャラクターの描かれた大きな綿菓子の袋を持っている姿があった。




「…いくつだと思ってるんですか。綿菓子はいりません…あっリンゴ飴っ!」


「…同じじゃないか。」




子ども扱いされてふくれた途端にリンゴ飴の屋台を見つけて目を輝かせたルカに、アルベルトは笑いながら彼女の手を引いてリンゴ飴の屋台へ向かった。




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