You are My Doll
□8.Wディト
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じりじりと照りつける太陽が眩しい夏の午後。
ライラが取り込んだ洗濯物のカゴを持ち上げて室内に入ろうとすると、急にカゴが重さを無くした。
「よっ。俺が持ってやるよ。」
「ジェット。ありがとう。」
ライラは微笑んで礼を言った。
二人は並んでリビングに入り、ジェットはソファの横に洗濯物のカゴを置いた。
「ここでいいかい?」
「ええ。ありがとう、助かったわ。」
それからジェットはソファの後ろに立ってライラがタオル類を手早く畳むのをしばらく見ていたが、意を決したように前に回ると彼女の隣に座った。
「なあライラ…明日暇か?」
「ええ、特に予定はないけど…どうかした?」
「じゃあさ、映画行かないか?ほら!!」
そう言うとポケットから映画のチケットを取り出した。
今話題のアクション映画のタイトルが見える。
「え…。二人、で?」
「もちろん!!」
満面の笑みで答えるジェットにライラは困惑した。
迷った末に出した答えとは。
「…フランソワーズも行くなら…。」
だった。
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