グレ期

□キャッシュな関係
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「っ…も、イイからっ…」
内側から身体中を駆け巡る最近覚えた凄まじい快感。
中を掻き回される快感を知っている。質量が増えた時の快感を知っている。だから、こっちの方が絶対イイに決まってる。
鉄男自身に手を伸ばすと、それもまた開放を求めて熱を溜め込んでいるのが分かる。
「ー鉄男、の……欲しい…」
視線を捉え、焦らすように緩く扱いてやると俺を見る目が熱くなる。
「……まだ無理だ。」
あやすように深く口付けられ、ゆっくりと二本目の指を埋め込まれた。
「んンっ…あァ―――っっ!!」


――はっきり言って焦れていた。
「なんで?ヤなの?」
今日も指でイカされた。
「俺がイイって言ってンだからイイじゃん。」
ちょっと痛いのくらい分かってる。さっきだってそう。でもその後が凄いんだよ。痛いのとかどっかいちゃうの。本当。それを鉄男は分かってない。

好奇心は期待と膨らんで今は焦燥でしかない。

絶対自分だってしたいくせにッ。なんで言う事聞かないのっ?!


唇を尖らせる三井に鉄男は溜息を洩らした。

――…辛いのは俺の方だろ。
とんでもねー煽り方しやがって…

こっちもまた焦れていた。
どれだけの忍耐と労りを以て“して”いてもそれはこっちの知る話しで、混濁し、狂ったように喘がされた事実だけの三井にはまったく伝わってはいなかった。
もちろんその奥にある想いすら。
悪ふざけの延長で始まってしまった行為なだけに気持ちなんかは伝わりにくいのかもしれない。一生懸かっても伝わりそうにない想いの焦燥から意地悪してやりたい気持ちも湧くが、それよりも、ただ大事にしたかった。


「なんだまだ足りねーのかぁ?」
冗談めかして細い身体を引き寄せると慌てて腕を突っ張ってくる。

「バカっ!今度!今度!」
物足りない訳じゃない。むしろ大満足。


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