グレ期

□猟奇的な彼女
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「鉄男って女いねぇの?」
前から思ってはいた事なんだケド。突然思い出して何の脈絡なく口に出した。
「…今言うんじゃねぇよ。萎えんだろ。」
そう言えば俺は鉄男の咥えてる途中だった。
「だって見たことない。徳男が鉄男の女はレベル高いみたいな事言ってた。」
ペロリと舌を出して側面をなぞりながら「俺も見たーい」とふざけて言うと、鉄男は一つ溜息を吐いた。
「お前の女もツラだけはイイな。」
「おう。Dカップ基本。」
鉄男の辟易した顔にケラケラ笑うと喉奥まで押し込まれた。
「黙ってしゃぶってろ。」
「―んんっ!」
呻きながら内心ニヤリとした。

鉄男は俺に惚れてんじゃないかと思う。俺だけ特別扱いしいてるのなんて周りから見たって一目瞭然で、そのたびに俺の気分は最高になる。
女っ気すらないこの男の女なんて想像出来なかった。



「最近の女は恐ぇなー。」
腹を抱えて笑い転げる竜の脇で俺は溜息を吐いた。一部始終を見ていた徳男も苦笑している。最近ウザくなってきた女の電話をシカトこいてたら駅で待ち伏せされ、人通りの多い中、奇声を上げて鞄でメッタ打ちされた。
「ハハハっ!そんでお前どーしたのよ?」
「走って逃げるしかねーだろ。殴る訳にもいかねーし。」
おまけに靴まで飛んできた。
「ギャハハハハハっ!!」
「つーかなんでヤったくらいで付き合ってるとかなんの?」
マジで疑問。
俺的には特定の人なんてのはいない。勝手に俺の女気取りしてるやつはモメんのすらダルくてほっといた。…ら、こうなったワケだけど。そう言えば鉄男の言ってた“俺の女”ってどの女?
「今日は散々だから鉄男ん家で寝てるわ。」
竜達と別れて俺は一人鉄男の家に向かった。
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