グレ期

□キャッシュな関係
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どうとったのか続く沈黙。
あれ?マズった?そう思った矢先に横抱きに抱え上げられた。
「わぁっ!」
慌ててしがみ付く間もなくベッドに投げ落とされ、その上から覆い被さって顔を寄せてくる。
「マジ言ってんの?」
突然の事に一瞬頭が回らないが真摯な顔にすぐに吹き出して首に腕を回した。
「今言う?それ――ンっ…」
言うとすぐに唇を付けて来た。



スッゲーフェラテク。身体の反応もイイ。誘ってきた時に何となく分かってたけど実際目の当たりにすると嫉妬に身を妬かれる。でも今ここにあるのは事実なのだから“誰かの”なんて認めない。噛み付くように仮初めの所有痕を刻みながら、縋り付く身体に酔っていった――…

―――なんかオカシイ。指突っ込んだ時から思ってた。煽られて急かされて突っ込んでみたものの頭入ったところでここから先に進むのは躊躇う程に俺もキツイ。見ると堅く目を閉じて唇を噛み、強張らせた身体が震えている。
信じられない嬉しい期待。もしかして、いや、きっと…
「…お前、…初めて?」


一気に羞恥が駆け巡る。苦痛を与える動きが止んで、余裕を持った口が言葉を滑り出し、嘘を誤魔化す言葉は罵りになった。
「――ンなわけ、ね…っ――下手くそっ!」


――ダヨネ。頭きた!!
見抜けない嘘ではなかったのに余裕がなかった。“絶対ない”と浮いてしまった後の落胆は果てしなく憎悪にも似て、一気に激しく責め立てた。


―――後悔なんてモンじゃない。
圧倒的な質量。凄絶な圧迫。身を切り裂いてまだ侵入を許していない未開の最奥まで押し入られる。指先の微妙な動きにさえ跳ね上がるのに、全身でぶつかって来られたのでは一溜まりもない。衝撃の度に呼吸すらままならず、懇願も言葉にならない。最後には羞恥もプライドもなく泣きじゃくって悲鳴を上げていた。


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