グレ期

□キャッシュな関係
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鉄男に抱き締められて始めて緊張が解けていき、身体が強張っていた事を知った。本当にバカ。鉄男に当たるのもお門違い。なのにどこまで優しいんだこの男。とことん甘えてしまう。
ボディーソープのついた手でくるくると撫で回してくる鉄男の首に腕を回して深く舌を絡めると、燃焼しきれなかった熱がすぐに燃え上がってくる。
「――ンン……はっ…」


「随分元気だな。」
嫌味の一つも言いたくなる。
「それどころじゃなかったんだよっ…」
ほんのりと色付いてくる白肌は激しい情痕を浮き出させ、頭に過った人物が思わず口から出ていた。
「竜か…」
ビクリと身体を震わせる三井は眉を吊り上げて低く唸った。
「今そいつの話すんな。」
思いっきり自爆。聞くつもりはなかった。むしろ聞きたくなかった。嫌でもムカついてくる。どこぞの馬の骨だったら湘南の海で人生勉強させてやれたが。
双丘の谷間に指先を滑らせると慌てて腰を引いてくる。
「やっ…バカバカっ!血出たんだぞっ…!」
「…腹壊すぞ。」
「え?……あ…」
その意味に気付きカッと顔を紅潮させると、大人しく首に回した腕の力を強めて顔を埋めてきた。


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