short

□説得する謙也
1ページ/1ページ

何をやっても上手くいかない。
帰って来るのは、いつも失敗。

生きてる意味が分からないよ・・・・・・。


「ま、待てって!」
『来ないで!来ないでよ!』
「っ!」
『何もないもの・・・、全て上手くいかない。』
「・・・」
『生きてるって何?ねぇ?!』


ずっと、孤独だった。
友達なんか出来なくて、いっつも一人。
その分人よりいい学校に行こうと思って頑張ってた勉強だって、認められなかった。


『親に見離されて、人に見放されて、受験だって受からなくて・・・。』
「・・・」
『うちに一体何が残ってるって言うん?』
「・・・」


ほら、謙也も口閉ざしてる。
''面倒臭い''って、''さっさと落ちればいいのに''って・・・!
止める振りして、結局うちが死ねば何事もなかったように生活しだすんだ。
大好きなテニスして、友達と遊んで・・・。

嘘つき!嘘つき!


「・・・じゃ・・・」
『・・・な、何よ!!』
「俺じゃ・・・駄目か?」
『えっ・・・、』
「確かに、地位も名誉も何も無いけど・・・俺が居る・・・ってだけじゃ駄目か?」
『な、何言って・・・』
「自分が好きや、」
『嘘・・・そんなの嘘!』
「嘘やない・・・、」
『う・・・そ・・・や・・・、』
「やから、死ぬなんて、何もないなんて言うなや」
『ほん・・・ま?』
「・・・おん」
『信じてええの?』
「ええで、」
『ふ・・・うぇ・・・、謙・・・也・・・、』
「何や?」
『ありがとう・・・』
「・・・・・・ええよ、そんなの」





謙也のはずなのに、白石に見えてくる・・・。
何故?

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ