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□1歩
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「か〜のじょっ!! 昼休みだぜ。一緒にサッカーしない?」
「ダーメ、ダメ!! 彼女、次は家庭科だから」
「準備忙しいよねぇ」
「……っおい。 オレの着ているのがセーラー服に見えるかよ」
「その強烈にきゃしゃっぽい肩ハバ」
「かわいっぽい面」
「中学3年の平均身長を下まわった上背」
「天野平!! きさまにセーラー服なぞ必須アイテムではないわ!!」
「ポイポイうるせえんだよっっ!!!!」
15年の軌跡
今日の授業も全て終わり、いつもの幼なじみメンバーと帰るため、名前は従兄妹であり家族でもある天野平の席に向かって行た。
『へ〜いちゃん。帰ろ?』
「名前! おう。帰るぞ」
『あれ? 万ちゃんは?』
そう言って、名前はもう1人の幼なじみ日下万里に目を向ける。
名前が目を向けた彼の周りには、いくつもの今日の家庭科の授業で作ったと思われるカップケーキの山が並べられていた。
「あいつは ”足切りなし”なんだと! ほっといて帰るぞ」
名前は『足切りなし?』と首を傾けながら、素直にその意味を平に問おうとした瞬間…
「日下万里くん、ちょっとお話が…」
「花島田ッ! 」
突然廊下から声が聞こえ名前・平・万里が振り向くと、そこには名前の小学校の時の同級生であり、隣のクラスの東一中男子バスケ部キャプテン花島田英達の姿があった。