Long


□2歩
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「オラオラ 6番8番につけ!」


声を荒げ部員に指示を出していく花島田


「何でオレだけ1年に混じってボール磨きなんだよ…」

『平ちゃん。ちゃんとしないと怒られるよ?』


新入部員であるが、すでにレギュラーに混じって練習をしている万里
それに対して、平は1年生と一緒にボール磨きをさせられていた

そして遂にその不満が爆発したのか、平は名前の制止も聞かず、持っていたボールを花島田めがけて投げつける

ボールは見事にボコン!と音を鳴らし花島田の後頭部に直撃した。 


「何しやがんだ!新入部員!!」

「うるせえっ。万里だって新入部員じゃないか! オレにもシュート打たせろ!」


シュートシュート!と連呼しつつ、花島田が投げるボールを器用に避けていく平


『真面目に練習やろうよ…。』


そんなやり取りをしながら今日も男子バスケ部の練習は何とか過ぎていく





   Born Free





その日の帰り道、平が鞄から1枚の紙を取り出す


『あれ平ちゃん。 まだそのアンケート用紙書いてなかったの?』

「名前はもう書いたのか?」

『あったり前じゃない』


平が取り出したのは、道徳の授業で出された家族についての作文
その事について話をしていると万里が


「一ノ瀬 雛姫」


といきなり自分達のクラスメートの名を口にする

 
  
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