Long
□2歩
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すると横にいた平が
「ッッ何をイキナリ…!ッ」
と、どもりながら勢いよく万里を見る
「最近彼女うつむかなくなったじゃん? そしたらこれが、けっこーかわいいんだよなっ」
彼の言葉に平は万里には聞こえるか聞こえないかの声でボソッと「…っ知ってるよ」と呟く
(あれ?平ちゃん…もしかして?)
その平の態度を気にしつつ話しながら歩いていると家に着いてしまい、万里とは別れそのまま家の扉を開ける
「『ただいま―』」
「おかえり。もうすぐゴハンだからネ」
そう言って笑顔で迎え入れてくれたのは、天野家の専業主婦であり平達の母 天野昭
「おやつ平の分、食べちゃったから。あっ!名前ちゃんの分はあるからね」
『ありがとう』
ダイニングでくつろぎながら2人に声をかけてきたのは別の中学に通う中2の平の妹 天野成
「名前おかえり。」
そしていきなり参考書片手に名前達の前に現れたのは高3の平の兄 天野和
『ただいま和兄』
「兄ちゃん、オレもいるんだけど!」
和兄に返事をしていると後ろで平が自分もいるのにと騒ぎ始める。 その姿に苦笑いをこぼしながら平を宥めていると
「そうだ4人共。 お父さまにただいまって言ってらしゃい」