Long


□4歩
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ドン!! ガシャーン!!!



一瞬、何が起きたのかわからなかった。

倒れている自分と万里を庇うようにして上に覆いかぶさっている平。
自分達の足元に散らばっている地球儀と思われる残骸。 そして、その残骸の上にある今日1日ずっと頭から消えることのない言葉。


たしか自分は、平と万里と3人で次の授業の為に視聴覚室に向かっていたはず。
他愛もない話をしながら、近いからとホールを突っ切ろうとした。 

だけど、平に突然名を呼ばれたと思ったらいきなり突き飛ばされて……

耳元で聞こえた大きな破裂音。


そして、そのすぐ後にあの[くさかコロす]と書かれた紙が上から降ってきた。

地球儀を落とされた。 そう理解するのに時間はかからなかった。


『…何で……』

「名前ケガない?」


いまだ放心状態の名前にケガはないかと確かめてくる万里。
その行動にいよいよ平も声を荒げる。


「万里っ!」

「目ぇつりあげてどうしたの」

「このタレ目。少しは真剣になれよ。命狙われてんのはおまえだぞ!」


平の言う通りだ。 
いくら何でもこれは冗談では済まされない。

もし万里に直撃していたら手のケガどころではない。 打ち所が悪ければ死んでいたかもしれない。

もし平が気づいてくれていなかったら…。 そう思うだけで体が震える。


「心あたりないのか?」

「気のなげぇ事も言ってられない…か。 立てる?名前。」

『……うん』

「…行くぞ授業だ」


授業開始のチャイムが鳴り、座り込んだままだった名前を立たせて手を引いて歩いて行く万里。 
それに従い、後ろから平も納得がいかない様子でただついて行くしかなかった。

 
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