Long


□4歩
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それからその日は特に何事も起きなかった。

いつものように残りの授業を受け部活を行い、今はもう放課後。

名前は生徒達が少なくなった廊下を1人歩いていた。 

今日はあの2人はいない。
用事があると言って2人には先に帰ってもらった。


「じゃあ、用が終わるまで待ってるよ」


万里は待っていると言ってくれたけど、何とかそれも断った。 
2人には知られたくないことだから。


その理由は、今回のあの犯人を見つけ出すこと。 


さすがにそのことを言えば2人に止められる。 特に万里には危ないからと絶対反対されるのはわかっていた。


(絶対に犯人を見つけ出してみせる)


地球儀が落ちてきた時に思った。 
もしあそこで万里にもしものことがあったら、自分はまた後悔することになっていた。

手紙を見た時点で犯人を捜していればよかった。と…。


『やっぱり何もないか…。』


とりあえずホールに行き、怪しい場所などがないか調べた。
地球儀の後に落ちてきたあの紙を見た瞬間、平と万里はすぐに上を見たが誰もいなかったと言う。


ため息を吐きながら、次は教室に行ってみようと足を進める。

しばらく廊下を歩いていると、教室の目の前で同じクラスの三島くん・馬場くん・鹿須賀くん(通称、三バカ by平)がいる。 
何やら教室を覗いていたので、どうしたのかと声をかけようとしたら、自分には気づかずに逆の方へと去っていってしまった。


(いったい何を見てたんだろ?)


彼らが見ていた教室を覗いて見ると、真とヒナがいる。 どうやら三島くん達は2人を見ていたようで。

少し彼らのことが気になったが、そのまま教室に入って行くことにした。


ガラッ。

「!!!」

『えっ?』


名前が教室のドアを開けた瞬間、驚いたように勢いよくこちらを振り返る真。 

さすがにあまりのその勢いぶりに名前も若干驚いてしまった。

 
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