戯れの夢

命令範囲外の命令
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〜もしも以蔵が専属執事だったら?〜








「うーん、やっぱ、これかなぁ・・・でも、こっちも捨てがたいし・・・」

「・・・・まだ決まらんのか」


むっ!

今夜、お友達の屋敷で開かれる夜会に招待されて

着ていくドレスを、選んでいる私に飛んできたのは、呆れたような低い声

まったくもうっ!

少しでも綺麗に見せたいという、乙女心を、相変わらずちっとも理解してくれないだからっ!!


「だったら、これとこれ、どっちがいいか、岡田が決めてよっ!」

「・・・右」


ぼそりと低い声で、即答してくれたけれどっ!

壁に寄りかかって腕組みしたままま

ちらっとしか、こっち見てないじゃないのよぉっ!

一生懸命に選んでいたのが、なんだか虚しくなってしまったけれど

悔しいことに、岡田が右のドレスを選んでくれたのなら、こっちを着ようと、思ってしまったのも事実

だけど、それを素直に認めるのも、なんだかすごく悔しくて


「じゃあ、着てみるから、確認、してよねっ!!!」


岡田の返事を待たずに、ドレスを手にして、隣の部屋へ続く扉を開けた


















ドレスを身につけ、ついでに髪を緩く結い上げて


「どう?おかしくない?」


扉を開け声をかけると、一瞬、赤い瞳が大きく見開かれ・・・


あ、れ?


なぜか、すぐに厳しい目つきに変わったと思ったら

つかつかと、こちらに歩み寄ってきた


「岡田?」

「・・・・却下だ」

「はいっ?」


きゃ、却下って、なにそれっ?


「・・・気に入らん」

「・・・へ?」


思わぬ一言に、何か言い返そうとするよりも早く

伸びてきた腕が、背中と膝裏を掬い上げた

わたわたと焦る私を無視して、私を横抱きにしたまま、岡田の足が、隣の部屋へと向かう


「お、岡田っ?」


思わず、ぎゅっと岡田の服を握り締めると

耳元に、ふっと吐息を感じて・・・







-----俺以外の男に、肌を見せるな






低い囁きに、とくんと、心臓が揺れる・・・・















「そっ、それじゃ、別のドレスをっ」

「あれもダメだ、胸元が開きすぎてる」

「じゃぁ、どのドレスならいいのよっ!?」

「ドレスは却下だ、着物で行け」

「無理だよ、だって、夜会なんだよ、ダンスもあるんだよっ!」

「・・・夜会は欠席だ、すぐ連絡させる」

「そんな、無茶なぁっ!」

「いいから、おとなしく、傍にいろっ!」


主人は私のはずなのにー!!!







〜クレームはナシで(><)〜

2011.5.22〜7.12clap掲載
2011.7.12 Site Up

御題:恋したくなるお題


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