☆短編集☆

□廻り道
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あれはちょうど1年前。1つ年上のカガリの卒業式の日だった…。

「カガリ…」

「いままでありがとうな、シン。楽しかったよ」

「…なんだよ!それじゃもう二度と会わないみたいじゃないかよ、ふざけるな!」

「え…」

「待ってろよ!絶対同じ高校行ってやる。まだ勝負はついてないんだからな!」

「……うん、わかった…待ってる」

いつもなら、呼び捨てじゃなく先輩と呼べ!とかシンのくせに生意気だぞ!とか必ず言い返してくるくせに、この日のカガリは、どこか切なそうに金色の瞳を揺らしながら微笑みシンの言葉に素直に頷いていた。

そんな初めて見せるカガリの女の子の表情にシンはドキドキしていた。

どうしたんだろう…俺。

カガリもまた、卒業するからだけではない胸の焦燥感に戸惑っていた。


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