☆短編集☆

□winter solstice
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かぼちゃのスープにかぼちゃのサラダ…かぼちゃのクリームソースパスタにかぼちゃの煮物…――。

アスランは目の前のテーブルに所狭しと並べられたかぼちゃ料理を見て呆気にとられていた。

「カガリ…」

「ん?何だ、アスラン」

機嫌良く料理を運んでくる愛しいカガリには悪いが、さすがにこのかぼちゃの量は尋常ではない。
俺はなるべくカガリのご機嫌を損ねないようにカガリに訊いてみた。

「今日はかぼちゃの記念日なのか?」

「は…?何言ってるんだよ。かぼちゃに記念日なんてあったか?」

いや、逆に尋ねられても俺だって聞いたことないけど…;

「じゃあ、何で今日はかぼちゃ料理をこんなに作ったんだ?」

俺の素朴な疑問に、カガリは待ってました!と言わんばかりに琥珀の瞳をキラキラさせて言った。

「今日はな、冬至だろ。だからかぼちゃ食べなきゃだめな日なんだそ!アスラン知らなかったのか?」

「知らない…」

というか、冬至とかぼちゃにどんな繋がりがあるんだ?

「あ!またハツカネズミになってる。すぐに考えこむ癖いいかげん直せよな〜。いいじゃないか、昔から決まってる習慣なんだからさ」

「まあ…いいけど」


「それともアスラン…もしかしてかぼちゃ嫌いなのか?」

「いや、そんなことないよ」

せっかくカガリが腕によりをかけて作ってくれたかぼちゃ料理だ。嫌なはずないだろ?

「ほんとか?良かった!冬至にな、かぼちゃ食べたら健康でいられるんだって。アスランにはずっと元気でいてほしいからがんばっていっぱい作ってみたんだ」

「そうだったのか。ありがとう、カガリ。じゃあ、いただきます」

と言いつつ、俺のためと言って頬をほんのり桜いろに染めるカガリを前に、ついつい理性が崩壊しそうになるけれど、まずはせっかくカガリが作ってくれたかぼちゃ料理を堪能しないとな。
カガリを堪能するのはその後でもおそくない。

アスランがそんな邪なことを考えているとは欠片も気づいていないカガリは、スプーンを持ち、かぼちゃスープをほおばろうとするアスランをじ〜っと見つめながら、感想を待った。



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