☆短編集☆

□廻り道
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「ほら…っ!」

「え?」

シンはカガリの手に何かを差し出した。
カガリが反射的にその小さな白い手を出し受け取めたもの。
それはガラスでできた地球儀のついたストラップだった。

「これ…」

「カガリにやるよ。前から欲しいって言ってただろ?」

「そうだけど、いいのか?」

それは、シンのケータイについていたのを見たカガリがずっとキレイだな〜欲しいな〜と言っていたものだった。

「卒業祝い。俺と同じなのやっぱりイヤだとか言うなよ」

拒否されることはないとわかってても少し不安だったシンは照れを隠しながら視線を合わさずに言った。

「言うわけないだろ!ずっと欲しかったんだから…」

シンとお揃いのストラップ。
カガリはほんのり頬を染めて手の中のものを嬉しそうに見つめていた。

「ありがとう…大切にするよ」

「……///」

そんなカガリに思わず見惚れたシンはさらに胸のドキドキが増していくのを自覚していた。


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