☆短編集☆

□廻り道
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「絶対、来いよ。待ってるからな」

カガリはシンの赤い瞳をまっすぐ見つめながら言った。

「あぁ、絶対な」

自信満々で言うシンにカガリは少しいたずらな視線を投げかけシンをからかった。

「ふふっ…でも大丈夫かな〜。オーブ学院はけっこう偏差値高いぞ?」

さっきまでの女の子らしいカガリはいつの間にか消え、いつもの元気いっぱいのカガリに戻っている。言われたら言い返してしまうのがシンの常だった。

「バカにするなよ!俺だって本気になればカガリの受かった高校くらい楽に通るっつ〜の!」

「ははっ…そっか、頼もしいな」

シンもカガリも別れの感傷に浸っていたのは一瞬だった。

きっとまた会えるから…。

その時には、あの胸のドキドキや焦燥感、嬉しさの意味をはっきり言葉にしてみよう。


そして、時が流れた。



――…1年後。

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