☆短編集☆
□winter solstice
3ﾍﾟｰｼﾞ/8ﾍﾟｰｼﾞ
「だから、太陽の復活を願って始まったのが、今の火祭りや冬至祭なんだって」
「そうなんだ、カガリは物知りだな」
「うん、イザークに教えてもらったんだ！……あ；」
カガリはきっと、俺の知らないことを知っている優越感に満足して、ついつい言わなくていいことまで言ってしまったのだろうけれど…。
「へぇ…イザークに教えてもらったんだ？」
カガリが、俺の知らない間に他の男とふたりきりになっていたのか…？
俺はどんどん引きつった顔になっていくのを自覚しながら、慌てて弁解しようと一生懸命なカガリの瞳を捉えて問いつめた。
「カガリは仲がいいんだな、イザークと。楽しかった？」
「い…イザークと会ったのは、偶然だからな！それにやましいことなんてひとつもないからなっ！」
「当たり前だ」
「……っ；」
即答で答えた俺に、カガリは呆れたような顔を見せ、ため息をついた。
「わかってるんならなんでそんなに怖い顔してるんだよ？」
「…カガリが浮気するから」
「はぁ？何で話しただけで浮気なんだよ？」
何気に立場が逆転してるように思うのは気のせいだろうか？
いや、ここで退いては俺の負けだ。
カガリには自身の可愛さをきちんと自覚させて、むやみやたらに男に近づかないように教え込まねばならない。
．