***sTorY***

□媚薬
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しくじった


素直にそう思った


敵地に単身乗り込み、まんまと捕まってしまった
しかも手を後ろ手に縛られ
両足も縛りあげられて椅子に座らされている


どぉーやって逃げるかねぇ…
部屋の中をぐるりと見回し
脱出にめぼしい物はないかと探る


なぁんもねぇな…
犯人も出てったまま戻ってこねぇし
考えあぐねいていると


カツカツカツ…


足音が近づき
微かに体を強張らせる


「真選組も、たいしたことねぇなぁ」


ニヤニヤと笑みを浮かべながら
いかにも悪人面をした犯人が近づいてくる


「ぺっ」


犯人目掛け、ありったけの唾を吐く


「てめぇ!立場わかってんのか!?」


ぐいっと顎を掴まれ持ち上げられる


「はっ!こんな可愛いツラした隊長じゃ、仕方ないか!!」


キッと睨みつける


「いい目だな…
今に泣いて詫びさせてやる」


舌なめずりをし、厭らしい笑顔を浮かべる


「すぐに素直になるさ…」


犯人が注射を取り出す


「…なんでィ、そりゃあ…」


何をされるかわからない恐怖から喉がカラカラに乾く


「すぐわかるさ…」


ニヤリと顔を歪め
ジタバタともがく俺の腕を押さえ
針を刺す


「っつ!なに、しやがるんでィ…」


ドックン!!


心臓が跳ねる


熱い…
体中の血が沸騰するように熱を持つ
頭がくらくらして
椅子からずり落ちそうになる


「即効性だからすぐに薬が回るだろ」


ニヤニヤと体中をなめ回すように視線を絡み付けてくる


「くっ…薬って…」


髪の毛をグッと捕まれ耳元で囁かれる

「媚薬だよ…」

ふっと息を吹き掛けられ
背中がぞくりとする


「んっ…」


媚薬だなんて…冗談じゃねぇ…


「そんなもんが効くわけ…」

「強がりを言っていられるのも今のうちだ。」


犯人の手が伸びる

身をよじり避けようとするが
手足を縛られ上手く避けられない

「んっ!!」

すっと耳を撫でられただけで声があがる


なんでィ…コレ…
ちょっと触られただけなのに
体が疼く


俺の反応に満足げに頷くと
シュルリとスカーフを抜き取り
制服に手をかける


「や…めろ…」


犯人は耳も貸さずにシャツをはだけさせてくる


「もう薬が回っているようだな。」


嬉しそうに呟くと
胸元に手を伸ばしてくる


「んっ!!あっ!!ああっ!!」


ピンッと尖った乳首をくにくにと押し潰され
甘い声が漏れる


「んっ…ふっ…くっ」


体中に快楽が駆け巡り
下半身に熱を感じる
体が疼いて仕方ない…

「はぁぁ…」

少しでも熱を逃がそうと息が漏れる


「くくくっ、いい顔するじゃねぇか。」


そう言いながら
ズボンを脱がしにかかる


「やめ…やがれィ…」

「こっちは、して欲しそうにしてるじゃないか。」

「ひゃぁ!!さわっるな!あっ!んっ…んん…」

トランクス越しに下半身を撫であげられ甘い声があがる

「隊長さんは随分、良い声で泣くなんだなぁ。」

いやだ…いやだ…いやだ…
頭ではそう思っているのに
体は快楽を求め疼く
怖い…


「いやだ…土方さんっ!!!」


ギュッと目をつむり、思わず土方さんの名前を口走る
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