***sTorY***

□大人の余裕〜If〜
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頓所をぶらぶらと歩いていたら
土方の野郎を見かけた


いつもみたいに斬り掛かってやるか
それともバズーカでもぶっ放してやろうか…


茂みからコッソリと近づくと
話し声が聞こえてきた


ん?見えねぇところにもう一人居たのか…


一体、こんなとこで何の話しだァ?


まさか…愛の告白だったりして
へへっと笑いながら耳を傾けると


「…でもいいんです。
それでも土方さんが好きなんです。
俺と付き合ってください!」


俺の耳に飛び込んできたのは
まさしく、愛の告白だった

誰だ!?この声…は、山崎か?
土方さん、なんて返事すんだろ…

まさか…
OKするわけねぇよな!?
自分が告白したわけでもないのに
俺の心臓は激しく音を立てていた


嫌だ…嫌だ…嫌だ嫌だ!!


「あー。。。ありがとな
そこまで言ってくれるなら…
ただ、本当にわからねぇが
それでも大丈夫か?」


っ!?OKすんのかよ!?
目の前が真っ暗になる


「はいっ!俺なら大丈夫です!」


ダメだ。。。
まさか山崎が土方さんに告白するなんて
しかもそれをOKするなんて…


頭がぐわんぐわん揺れる。
ふらふらと部屋に戻る。


寝巻に着替え、布団に潜りこむ


土方さんが…山崎と…
その事ばかりが頭を駆け巡る…


ひっく…う…


知らないうちに涙が零れる
気付いた時にはせきを切った様に次々に溢れていた


頭いてー
一晩中泣き続け、ろくに眠れず朝を迎える


最悪だ…

仕事中も二人が気になりついつい目で追う

いつもより馴れ馴れしく土方さんに纏わり付くザキ

複雑な表情を浮かべながらもまんざらじゃなさそーな土方さん


んだよ!くそっ!
イライラする…
あー。。
あの二人、もうヤッちまったのかなー
いや、でも昨日付き合って、ソッコーってこたさすがにないだろ…


だけど、いつか
そう、きっといつか二人は結ばれる


そんな考えが過ぎり、心の中をどす黒い感情がうめつくす

嫌だ。そんなのは絶対に…
せめて
そう、せめて…

二人が結ばれる前に
一度きりでいいから…


「総悟?どぉしたんだ?」

飯を食っていると土方さんに声をかけられる

「なにがですかァ?」

視線を向けずに箸を進める

「いやっ、なんか様子がいつもと違うから…」

なんでィ!
人の気持ちには鈍感なくせに…
こぉゆうとこばかり目ざとくていやんなるぜィ!

「別に…なにもありまやせんよ。」

「そうか?ならいいけど…
なんかあったら言えよ?」


好きな人が居るんですけど
その人が告白されてOKする所を見ちまったんでさァ
ちなみに、好きな人ってのは
土方さん、あんたなんですがねィ。

そう言ったら、どんな顔をするんだろうか。
言えるわけねぇ…

ふと、ある考えが浮かぶ

「何でも聞いてくれますかィ?」

「当たりめぇだろ。遠慮すんな。」

「じゃあ、後で部屋に行きますんで
ちゃんと聞いて下せィ。」

「おう、任せろ。」

嬉しそうに頭をぽんぽんと撫でると食堂から出て行った。


なんでィ、いまの顔。
恋人が出来たのに、あんな顔しやがって…


チリチリと痛む胸をぎゅっと抑え
残りのご飯ををかきこんだ。


トントンと扉を叩く

反応がない…

もう一度、トントンと扉を叩き
勝手に開ける


「土方さん?寝てるんですかィ?」


暗い部屋に足を踏み入れる。


布団に包まる土方さんを見つけ、どかりと枕元に座る。


「ひーじーかーたーさぁーん!」

「んっ…んん
わりぃ…寝てたわ。」

そう言いながら起き上がり伸びをする
少しはだけた胸にドキドキする


「土方さん、聞いてくれるってゆぅからわざわざ来たんですぜィ。」

「だから、わりぃって!
ちょっと色々あったんだよ。
あー、、腰いてぇ。」


ちょっと色々
腰いてぇ…


まさか、山崎とヤったとかじゃ…ねぇよな?


「土方さん…ヤッた事あります?」

「は!?おまっ…なに言ってんだ!?
そりゃっ、まあ、なんだっ…その…まあ、な。」

やっぱり
まあ、土方さんはモテるからそれは予想の範疇だ。

「じゃあ、男とヤッた事ありますか?」

「はぁ!?んなもんっあるわけねぇだろ!」

「そうですかィ…
じゃあ、俺とヤッてくれませんかィ?」

「はあああああ!?
おまっ…なにバカな事…言って…
ととと、とりあえず、落ち着け。な、落ち着け…」
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