***sTorY***

□大人の余裕〜If〜
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土方さんはぶつぶつ言いながら、タバコに火をつけ、深く吸い込み一気に吐き出す

「落ち着きましたかァ?
いやね、俺、恋人が出来たんでさァ。」

もちろん嘘だ。

「は!?」

土方さんの持つタバコが微かに震える

「でね、その恋人ってのが
とにかくモテるやつでね」

これはあながち嘘でもない。

「ヤッた事ねぇ。なんて知れたら、笑われるか
もしかしたら、面倒くさがって別れられるかもしんねぇ。
だからね、俺とヤッてくれませんかァ?
さっき、何でも聞くって言ってくれましたよねィ?」

「バカか!お前!!んな奴、別れちまえ!!」

ギュッと灰皿にタバコを押し付け言い捨てる

「それでも俺ァ、その人が大好きなんでさァ…
好きで好きでたまんねぇんです。」

土方さんが…

心の中で呟く。

「総悟…お前…」

苦しそうな表情を浮かべる。
なんで俺より苦しそうなんだろう…

「とにかく、ダメだ!」

「なんでですかィ?」

「お前…まだガキだろ?」

「ガキじゃねぇ!」

「ガキだ!」

ったく!ガキガキ言いやがって!!
これ以上、押し問答するつもりはさらさらねぇ
ガキだと繰り返し言われ
ムッとなる
胸倉をグッと引き寄せ
土方さんの唇に自分の唇を押し付けた


「総悟!?お前っ…なにすんだよ!」


驚きで見開かれた目を見つめながら答える


「キス。でさァ。
人が黙って聞いてりゃ
ガキだガキだって…
俺だって、こんくらいの事出来るんでェ。」


「お前…やっぱりガキだな。」


少しだけ怒りを含み呟く土方さんにカッとなり


だから、ガキじゃねぇ!


俺が反論するより早く
唇を塞がれる


「んっ…ふぅ…んん…ぁっ」

土方さんの舌がどんどんと俺の唇を割って入ってくる
深く絡ませ、咥内を舌先で刺激される


初めての感覚に頭がボーッとなり
甘い吐息が漏れる


「キスってのは、こぉゆうもんだ。
わかったか?」


冷たい視線を投げつけられ
体がビクリッと震える。
土方さんのこんな目…見た事ねぇ…


「どぉした?自分からヤッて下さいって言いながら、何にも出来ねぇのか?」

何も反論出来ずにいる俺に続ける

「大好きな恋人の為に、好きでもねぇ奴に抱かれるんだろ?
抱いてやるから、その気にさせろよ。」

違う!
大好きな土方さんに抱かれてぇんだ!
その気持ちを声に出来ずに
胸を締め付ける…
土方さんには、山崎が居る。
この気持ちを伝えてしまえば、きっと抱いてすらもらえない。

涙が零れそうになるのをグッとこらえる

「お前が出来ねぇなら、俺がしてやるよ…
他の奴にヤられるくらいなら、俺がこの手で…」


「土方さん?」

「あー。なんでもねぇよ。
いいからこっちこい。」


グッと腕を引っ張られ、布団に組み敷かれる


土方さんに見下ろされ、ドキドキと胸が騒ぎ立て、息が上手く出来ない
次々と深いキスを落とされる

「んっ…ふあっ…ぁっ…


「キスで感じてんのか?
そんなにとろんとした目で見上げてきて…」


「感じてなんかっ////」


「感じてなかったら
ココ、こんな事にはなんねぇだろっ
好きでもねぇ奴にキスされて感じるなんざ
淫乱な奴だな。」


酷い言葉を投げつけてくる



「ひゃっ!ぁっ…ああっ!んっ…」


下半身を撫で上げられ変な声が出る


「すげぇ、硬くなってるじゃねぇか。」


冷たい目で見下ろされ
いたたまれない気持ちになり
ぷいっとそっぽを向く


「ちゃんとこっち見てろよ」


有無を言わさぬ声で
グイッと顔を抑えつけられ
真正面から見下ろされる
胸がドキドキと激しく音を立て出す
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