***sTorY***

□虜になった?〜虜になってね U〜
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「あれ?沖田隊長、どぉしたんですか?具合悪そうですよ?」



あれからテントに戻り
痛む腰をかばいながら、なんとか片付けをしていたら
山崎に声をかけられる



「あー、ちょっとなァ…体がダルいんでぇ。」



「夜は少し冷えましたもんねぇ…
風邪ひいたんじゃないですか?顔、赤いですよ?」



顔のほてりを指摘され言葉に詰まる
風邪なんかじゃない
体にまだ旦那の熱が篭っているのだ



「…そぉかぁ?
まぁ、帰って寝りゃ大丈夫でぇ」



「そうですか?なら、いいんですけど。
片付けはいいから、ゆっくりしてて下さい。
あっ!万事屋の旦那!」



「おー。」



ダルそうな返事をする旦那が目に入る
やっと治まったと思っていた心臓がまたドキドキと早くなる



なんか…顔見んの恥ずかしいなぁ…


「あれ?なんか旦那も具合悪そうですね?
風邪引いたんですか」



「なんかダルくてなー。関節がさぁ…
ん?俺もって、他に誰か体調悪いのか?」



「はい。なんか沖田さんが熱っぽいみたいで…。」



「そぉなんだ〜」



少しニヤニヤしながらこちらへ近寄ってきて
俺のおでこに手を宛てる
ひんやりとした旦那の手が気持ちいい…



「なっなにするんでィ…。」



「んー。確かに、ちょっと熱っぽいなぁ…
それにしても、体調悪いなんて」



相変わらず手をあてたまま
ぐっと近づき、耳元でそっと囁く


「激しくしすぎちゃったかな?」

「〜〜〜っ!/////」

ふっと息を吹き掛けられ体がピクンっと跳ねる
さっきの事を思い出しかぁぁっと熱くなる
旦那の後ろから山崎がひょっこりと顔を出し

「あ!沖田さん、やっぱり熱あるんじゃないですか?」

「…そぉかもしれねぇ。」

否定する気にもならず適当に返事をする。

「帰りは横になってて下さいね。」

「あー。なんか俺も熱っぽいかも」

旦那が大袈裟に額に手を宛てる

「ええ!?大丈夫ですか?車の運転、出来ます?
もし辛いなら、誰かよこしますから
こっちの広い車で一緒に帰りますか?
色々、物も積んでるから寒いならタオルケットもあるし
鼻が出るならティッシュもあるし…」

山崎っ!
余計な事言うんじゃねぇ!
一緒の車とか、ドキドキするじゃねぇか!

「え?いいの?お前ほんと、いい奴だなー!
わりぃが、そうさせてもらうわ!」

旦那はニコニコと嬉しそうに答えながらさっさと車に乗り込む。


はぁ…

思わずため息が漏れるが、まぁ隣に座らなきゃ大丈夫だろ。


山崎が運転席に乗り込み、助手席に乗り込もうとすると


「あっ!沖田さん、ダメですよ!
後ろでゆっくり座ってないと!旦那の隣にでも座ってて下さい!」


強い口調で言われ
旦那の隣はドキドキするから嫌だ。
なんて言えるはずもなく渋々、旦那の隣に座る


旦那がすっと近寄り耳打ちをしてくる


「なんで最初っから隣にきてくれなかったんだよー。銀さん淋しいなー。
さっきの事、怒ってんの?」

首を横に振る。

「嫌だった?」

首を横に振る。

「じゃあ、よかった?」

ぺろっと耳を舐められゾクリとする

「っつ////////」

「あれ?沖田くん、顔が真っ赤だよ!」

いきなり普通の声で話し掛けられビックリしてると

「あ!本当だ!沖田さん、横になった方がいいですよ。」

山崎とミラー越しに目が合う

「そうだよ。沖田くん!
ね、横になった方がいい。」

旦那にまでそう言われるが

「横になるったって…」

広いっつっても寝転んで足が伸ばせる程、広いわけじゃねぇし…

「いーからいーから。」

ぐっと引っ張られポスッと旦那の膝に納まる

ええええ!?
膝枕されてる!?
ビックリして見上げると

「ちゃぁんと、横になった方がいいよ?」

なんだか嬉しそうに笑う旦那と目が合う
そんな顔されたら、なんだかいらねぇとか
言えなくなるじゃねぇかよ…
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