***oTHer sTorY***

□衝撃の出会い
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「お邪魔しやーっす。」

「邪魔するぜ。」



雑誌で真選組の特集を組みたいと言う出版社を総悟と二人で訪れる
普段あまり踏み入れる事の無い建物の中を物珍しさから辺りを見回せば先を行く総悟が声を上げる



「あれっ!!」

「どうした?つーか、あんま触んなよ。壊れたら如何すんだ。」

「そん時ァいっそ此処ごとぶっ壊しちまえば良いんでェ。」



おいおい、其の後始末は誰がすると思ってるんだ
物騒な物言いに痛くなるこめかみを押さえて溜め息を吐き出す


「これって、もしかして土方さんと旦那?」


所狭しと積み上げられた段ボールから薄い本を摘み上げてぺらぺらと捲り始める


「だから、勝手に触んなって………何で俺と万事屋?」

「嗚呼、それご覧になられましたか!何でも巷じゃ万事屋さんってのも有名で鬼の副長と、其の人の本なんてのも出てるンですよ。まー…同人誌ってやつなんですけどね。」



どーじん、し?
横から嬉しそうに口を開く、今回俺たちを招いた奴から出る
聞いたことも無い雑誌の種類に首を傾げ総悟に目をやると
ぅわっ、こんな事まで!え、二人はそういう…
何て訳のわからない言葉を漏らしながら時折ニタニタと此方へ視線を寄越す
其の態度に不快感を覚え渋い顔で手にする本を奪った



「…なんっだ、これ!」



其処には一面に広がる濡れ場、濡れ場、濡れ場…
いやいやいやいや、巷で何てモンが流行っちゃってンだよこれ!
ダメだろ、完全にアウトだろ!だいたい何で俺が彼奴と!


ん?あれ、これ俺だけじゃない……
ちょっと待て、総受けってなんだよ。どういう意味だよ
俺にちんこ突っ込まれてアンアン言ってた万事屋が次のページでは桂、高杉、しまいにゃ山崎にまで…
おいこれ何だよ。俺だけならまだしもコイツ淫乱過ぎンだろ!
いやいや待て俺!
俺だけならってなんだよコラ。馬鹿か、俺は馬鹿なのか!



乱れに乱れた思考回路で様々な事を考える事、コンマ二秒
全ての思考を遮断する様に人権侵害の塊、同人誌とやらを乱暴に段ボールへと投げ入れた


「あ!それプレミア付いてるんですよーっ。」


プレミアてなんだ、俺と彼奴の濡れ場がプレミアてなんだよ!
つーか、彼奴の淫乱がプレミアなのか!?
怒鳴り散らしたい気持ちをぐっと堪えて微かに震える声でどうにか謝罪を述べた
にしても此の編集者…良い度胸してんじゃねえか
本人を目の前にしてぬけぬけと
最近、落ちてきた評判をどうにか上げる為にも必要な取材だからと
近藤さんに泣き付かれ渋々だが受けに来た立場上、好き勝手に怒鳴る事は出来ず苦虫を噛み潰す


取材はあまり時間もかからず、いまいち用途の解らない写真を何枚か撮られ滞り無く済んだが
最中に時折ふと脳裏へちらつく強烈な濡れ場に眉を顰め頭の片隅へと追い払っては質問に答える行為を繰り返し
常の公務以上の疲労感を覚える
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