Dream

□生きる糧
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※ヒロイン病んでます。







何よ。好きだって、愛してるって言ったくせに。いざあたしの本性(ほんとう)を知ったら逃げるの? キミはあたしの親と同じだ。あたしがこんなだと知った途端目の前から居なくなる。それでよく好き、愛してるだなんて言えるわね。あたしの親もキミと同じ反応をした。本性(ほんとう)の事を知られる前までは無償の愛を注いでくれたのに…。


ガシャンッ
学校の屋上。フェンスの外側にあたしは立つ。下界まで後数センチの距離。此処から飛び降りたら…もう何も考えなくて済む。楽になりたい。独りで生きてくのは辛い。堪えられない。



「───なぁ、お前死ぬ気?」

『…っ』



突然後ろから声がして、フェンスを掴みながら身体を固定し、振り返る。後ろには髪を金色に染めた、確かこの学校一人気のある鏡音レンくん。あたしと鏡音くんは面識がない。話すのもこれが初めて。



『…うん、なんかもう何もかもが面倒臭くて…』

「そんな理由で死ぬの?」



“そんな理由"?
あたしは親にも大好きな…恋人にも捨てられたんだ。この先何を糧に生きろって言うの? 生きる糧もないあたしに何がある? 何もない、ただの無。この先生きていたって辛いだけ。だったらこの世とお別れした方が一番いいじゃないか。


あたしは前を向き、遥か下を見下ろす。少しだけ、あまりの高さにクラリとする。



「───ねぇ」



…まだ何かあるのか。
あたしはまた鏡音くんの方を向いた。フェンス越しとはいえ、鏡音くんの端整な顔はすぐ近くにあって。あ…っ、と思った瞬間フェンス越しに重なる唇。



「生きる糧がないって思ってんなら、俺と作っていこうよ。初めてお前を見た時からお前の事好きなんだけど」



軽くキスされて、唇を離された時にそう言われた。嬉しくて涙が溢れた。あたしに生きる糧が出来たから。鏡音くんが作っていこうって言ってくれたから。


あたしはフェンスの内側に戻り、腕を広げた鏡音くんの胸の中に飛び込んだ。鏡音くんは優しくあたしを包んでくれた。



───ヒトは独りでは生きていけない。
それは当たり前なこと。
だから、自分で一緒に生きていくヒトを
見つけてそれを糧に二人で生きていくんだ。





END

2011.01.21


ヤンデレヒロイン…。
相変わらず文章がおかしい…orz

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