お題

□ねぇ、君は僕にとって大切な存在でした
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※ヤンデレン
※赤い表現あり
※死ねた






ガチャッ
突然リンの部屋の扉が開き、部屋主であるリンはビクッと肩を跳ね上げた。中に入って来たのはリンの弟のレンで、レンの顔を見てリンはホッと胸を撫で下ろした。



「レンか、吃驚したぁ…ていうか、入る時ノックくらいしてよね」

「……」

「レ……ッ!!?」



レンは何も言わず扉の前に突っ立ったままで、それを訝しげに思ったリンはレンの名前を呼ぼうとして口を開いた。が、レンの右手に握られている凶器を見て、リンは最後まで名前を紡ぐ事は出来なかった。



「…レ、レン…」

「リンさ…僕がいるのにどうしてカイ兄やクオ兄を見てるの?」

「…?」



リンはレンの言っている意味が分からなくて僅かに首を傾げた。レンはあからさまに大きく溜息を吐くと、口を開いた。



「リンには僕がいるでしょ? なのに、何で他の奴見てんの?」

「い…意味分かんないんだけど…それより、そのナイフ下ろしなさいよ」

「…僕じゃ不満だって言うの?」

「レン? 本気で意味分かんないわよ…」

「分かんないなら…」



レンはゆっくりとナイフを持つ右手を上げ、リンに向けて切っ先を振り翳した。リンは間髪でそれをかわし、髪の毛を数本取られた。



「ッ、レン!!?」

「分かんないなら…分からせてあげ…るっ!」



レンは左手でリンの手を掴み、ベッドの上に押し倒した。



「やっ…いやっ…!! やめてよっ!!」

「分かんないって言うから教えてあげるんだよ。…リンは僕のモノだよね?」

「違っ…!」



リンの否定の言葉にレンはカッとし、右手に持つナイフの切っ先をリンの頸動脈に深く滑らせた。



「あ゛ぁぁぁぁっ…!!」



痛み苦しみ悶えて暴れるリンの身体をリンの上に跨がるレンは足でホールドし、リンを見下ろしていた。



「あ゛ぁ…ぁ……、ン…」



リンは血に濡れた手でレンの頬に触れた。そして、すぐその手はガクッと落ちた。






「…は、は…あはははっ…リンッ、リン…! これでずっと僕らは一緒だよ…!」



その言葉に応える者は誰もいない。
レンの瞳からぼろぼろと涙が零れた。



「リン──…ッ!!」



ねぇ、君は僕にとって大切な存在でした



君の顔は手は喉はもう冷たい。
“永遠”に君は僕の中。




2011.08.15

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