文章
□きかせて
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「おい」
あきらかに怒りを含んだソレに、内心ビビりつつも平然を装い、答える。
「…なに?リボーン」
ガッ!
「痛ッ!」
リボーンは俺の手首を掴みソファーに押し倒してきた。
「なんだ、これは」
これ、とは━…
あぁ、
これか。
首筋に映える紅い華。
ヒバリさんに無理矢理された時の。
「…なんでもないよ」
抵抗なんか出来なかったし、
しなかった。
ちょっとリボーンの反応が気になったけど。
でも、とうのリボーンは予想以上に怒っててかなり怖い。
「なんでもねぇわけねぇだろ」
殺気を放つ黒い瞳が、ギロリと睨む。
(どうしてそんなに怒るの)
「どうして、だと?」
しまった。
今俺の上にいるヒットマンは読心術が使えるのだった。
「勝手に人の心読まないでよ」
(怒らないでよ)
(好きでもないくせに)
(期待させないで)
「ツナ」
「何?」
「ホントにそう思ってんのか?」
「だって事実じゃん」
殺気が、よりいっそう研ぎ澄まされ、リボーンは俺の胸に愛銃をつきつけて言った。
「ダメツナが。俺から離れたら、殺してやるからな」
(どうして?)
「わけわかんないんだけど」
「お前は俺のもんだ」
「所有物かよ」
笑う俺に、うるせぇと言い放ち、言葉とは裏腹に優しい優しいキスをする。
■聞かせて、聴かせて、貴方の気持ち■