文章

□きかせて
1ページ/1ページ




「おい」



あきらかに怒りを含んだソレに、内心ビビりつつも平然を装い、答える。

「…なに?リボーン」

ガッ!

「痛ッ!」

リボーンは俺の手首を掴みソファーに押し倒してきた。

「なんだ、これは」

これ、とは━…

あぁ、

これか。

首筋に映える紅い華。

ヒバリさんに無理矢理された時の。

「…なんでもないよ」

抵抗なんか出来なかったし、

しなかった。

ちょっとリボーンの反応が気になったけど。

でも、とうのリボーンは予想以上に怒っててかなり怖い。

「なんでもねぇわけねぇだろ」

殺気を放つ黒い瞳が、ギロリと睨む。



(どうしてそんなに怒るの)



「どうして、だと?」

しまった。

今俺の上にいるヒットマンは読心術が使えるのだった。

「勝手に人の心読まないでよ」

(怒らないでよ)

(好きでもないくせに)

(期待させないで)

「ツナ」

「何?」

「ホントにそう思ってんのか?」

「だって事実じゃん」

殺気が、よりいっそう研ぎ澄まされ、リボーンは俺の胸に愛銃をつきつけて言った。

「ダメツナが。俺から離れたら、殺してやるからな」



(どうして?)



「わけわかんないんだけど」

「お前は俺のもんだ」

「所有物かよ」

笑う俺に、うるせぇと言い放ち、言葉とは裏腹に優しい優しいキスをする。




■聞かせて、聴かせて、貴方の気持ち■

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ