文章
□ひとみの住人
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「目を閉じたら何が見える?」
「なんだいきなり」
「リボーンの心に在るのはなに?」
「俺は、いる?」
「リボーン」
「ねぇリボーン」
「…なんだ」
「目を、閉じて」
そう言われておとなしく目を閉じる自分が、笑えた。
真っ暗な闇の中、お前が笑ってる。
俺の中にはお前がいる。
「お前の中に、俺はいる?」
(忘れないで)
俺はツナを抱き締めて言った。
「あぁ。心配すんな、おめーを忘れたことなんかねぇ。今までも、これからも」
俺は一生忘れないだろう。
あの時、
酷く美しく、悲しそうに笑った、お前を。
それから3日後のことだった。
ツナは、死んだ。
■目を閉じても真っ暗■